旅に、出た。

バス乗ったり、島行ったり。マニア2人の共同旅ブログ

乗り物好き若手リーマン2人、それぞれの旅行記録

タグ:ローカル路線バス

_MG_4092
路線バス好きにはあまりにも有名な狭隘路線の1つが、井笠バスカンパニーの運行する笠岡福山線です。
山陽本線や新幹線停車駅を結ぶ路線とあって、路線バス乗り潰し界隈的には大変好アクセスですが、ここ数年の間に土日の運行が取り止めとなってしまい、平日しか乗れない難易度の高い路線に。(もっともこの路線に限った現象ではなく、むしろ走ってくれているだけ大変ありがたいのですが)

2020年6月改正ダイヤ(平日のみ運行)
笠岡駅発8:10 11:25 15:10 16:10
福山駅発9:35 11:10 16:50 17:30
※所要約58分。便により若干の差あり
R0031380
さてこの日は笠岡11:25の福山行に乗車し、出発してほどなく狭隘区間へ。
R0031382
この路線は笠岡市と福山市にまたがり(というか岡山県と広島県にまたがるわけですが)、狭隘路は笠岡市側がメインで、ハイライトは笠岡駅に近いところにある集落内のクランク。

運転手さん曰く、ハイライトが左側に座った乗客席から見やすいのは福山→笠岡の方向の便とのことで、バスマニアは大体、笠岡行に乗るんだとか。確かに家に迫ってる感があって、狭隘区間が終盤に来るのはマニア的には盛り上がる気もするので納得です。
R0031383
福山に入ると広い道が多くなります。
R0031384
と言っても十分狭い道もあります。
R0031386
写真には収めませんでしたが、福山市内の片側2車線道路をグングン走るところも、郊外を走る路線バスといった感じで個人的には推しです。

次はぜひ福山→笠岡の方向で再訪したい路線です。

(このペイジの作成者 いし)

どうもこんにちは。てらです。
いしとの旅行、時たま行き当たりばったりなところもあり、西岩国駅を見てみたいと私が提案したところ、広島バスセンターから錦帯橋を経由して岩国駅まで行くバスがあるとのこと
せっかくなのでJRに乗らず岩国まで行ってみることにした。西岩国駅へは裁判所というバス停が最寄だそうだ。

ちなみに…
広島駅→岩国駅 50分770円 バスセンター→岩国駅 最速70分片道950円
広島駅→錦帯橋 50分+バス15分 770円+300円 バスセンター→錦帯橋 55分950円
ということで、広島駅と岩国駅の移動にはJRに分があるが、広島の中心部から錦帯橋や岩国駅へ行くにはバスにも十分分があるようだ。
本数もおおむね7時から20時台にかけて1時間に1本ある。
_MG_0370
バスセンターと聞くとどうしても公営のものを思い浮かべてしまうが…(私企業でも年季の入ったバスセンターを見かけることもあるが笑)リニューアルされているのか、こぎれいでピクトサインもすっきりとしたターミナルである。
_MG_0371
いろいろな行先が並ぶとわくわくしますが、自分がそのバスに乗って出かけるとなるとわくわくはひとしお。
左側の上から3番目に岩国行きのバスが乗っている。かなり高頻度でバスが運行されていることがわかる。
_MG_0376
バスセンター8時半発、いわくにバスの岩国駅・日の出町車庫行きの始発便はなんと私といしの二人のみで出発。先にも紹介した錦帯橋に便の良いバスは観光客のあおりをもろに受けているのかもしれないと感じた。
バスは広島城の南をかすめ、広島市中心部の西を流れる太田川を渡ってから広島都市高速4号線のトンネルに入り、アストラムラインの大塚、広域公園前を経由した。驚いたことに一人乗車があった。
加えて、運転士による手動放送で往復券を運転席で発売しているという旨の放送が入った。途中駅からの往復券の需要があるのかもしれない。そして途中から乗車した男性はバス内で往復券を購入していた。
32967
山陽道は山陽線や広島電鉄より高いところを走っているため、広島平野と瀬戸内の島々を時折見ることができた。
_MG_0377
岩国ICで山陽道を降り、錦帯橋の前を通ったのちに裁判所に到着。私といしはここで下車。目的の西岩国駅の駅舎を見学した。
(見学の時の写真は別途公開予定…)
せっかくならここを発着する列車で岩国駅へ行きたいところだが、バスの便が良いので、引き続き岩国バスに乗車して岩国へ向かう。
32966
いわくにバスはもともと岩国市営バスを移管した路線を引き継いでいる関係で、このように岩国市営バスの跡を随所に見ることができる。
_MG_0394
市営バス時代の路線図がうっすら…。岩国周辺も複数のバス会社が乗り入れており、広島方面への路線バスがあったこともわかる。
_MG_0392
京都市内や大阪市内でよく見かけるシステムだが、稼働していない状態が長く続いているようだ。
32965
路線バスタイプのバスに乗った。
乗ったバスのモケットにどこかで見たことのあるキャラクターがおり思わず撮ってしまった。都営バスのキャラクター、みんくるだ。
_MG_0395
終点の岩国駅に到着。いわくにバスを都市高速バスと路線バスで一度で二種類味わうことができた。
社長の問題発言などで一時はインターネットをにぎわせていた事業者だったけれど、前評判のわりには良くも悪くも衛星都市を走るバスという感じで快適に利用させてもらった。

(このページの作成者 てら)

こんばんは、いしです。
IMG_7912
野辺地から下北方面へ向かうのは、JR大湊線以外にもう1つ、下北交通の路線バスもあります。
IMG_7913

IMG_7914
野辺地駅前のバスロータリーに鎮座する、むつバスターミナル行の野辺地線。野辺地駅から横浜町を経由してむつバスターミナルまで向かう、JR大湊線と完全に並行したルートです。(余談ですが、六ケ所村で乗り換えることで、野辺地→六ケ所→むつとつなぐルートもあります。本数はともかく。)

野辺地線のむつ行は午前に4便あるのみで午後はありませんが、午後は青森線(青森→野辺地→むつ)が全く同じルートを通っていますのでそちらを利用できます。
【野辺地→むつ(2021年6月現在)】
野辺地6:30→むつ7:59(日祝運休)
野辺地8:30→むつ9:59(土運休)
野辺地9:30→むつ10:59
野辺地12:10→むつ13:39
野辺地14:19→むつ15:48(青森からの青森線)
野辺地16:19→むつ17:48(青森からの青森線)
IMG_7915

野辺地駅を出発してしばらくは、こまめに設置された野辺地の市街地のバス停を通過します。初乗りも140円で良心的。

途中幾つかのバス停で地元の方の乗車があったほかは、バスはぐんぐんと北上します。
車窓は、永遠と、左手に海。
IMG_7916

IMG_7918
IMG_7920
IMG_7921
IMG_7923
旅客が大きく流動したのは、横浜。野辺地~横浜でバスに乗ってきた方のほとんどが、横浜で降りられました。その後は、むつまでほぼ降車はなく、途中ちょくちょくと乗車があるのみ。
IMG_7924

車窓左手に下北半島の山々が見てくると、もう少しでむつ市内。
IMG_7925

IMG_7927
終点のむつバスターミナルは必見。
IMG_7926

IMG_7931
IMG_7932
令和にしてまだ昭和が残っています。

※下北交通名物、「臨停」も乗りながら探してみてください

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。

埼玉県唯一の村となった東秩父村には鉄道が通っておらず、公共交通でのアクセスは、イーグルバスによる路線バスのみです。
IMG_9201
東秩父村へのメインとなる玄関口は東上線小川町駅ですが、寄居駅からもアクセスできます(村にしては珍しく、公共交通のアクセスが2ルートあるということ)。本数は、平日6本/日、土日3本/日と少なめですので、土日に乗る場合は要注意です。

【参考】土日ダイヤ
和紙の里10:16→寄居駅10:39・寄居10:45→和紙の里11:08
和紙の里14:10→寄居駅14:33・寄居14:50→和紙の里15:13
和紙の里15:20→寄居駅15:43・寄居15:51→和紙の里16:14
IMG_9202
こちらのバス、小川町~和紙の里の系統に比べて本数は圧倒的に少ないですが、平日を中心に地元の利用はあるとのこと。地元の方の通院の他、沿線近くにあるBOSCHの工場への通勤などで使われることもあるとか。

ちなみに、沿線にはミカン農園がありまして、日本のミカンの北限はこの辺り。
IMG_9207
IMG_9208
この日は定峰峠方面に乗るバスに乗り換えるため、和紙の里まで行かず、途中の落合バス停で下車しました。

イーグルバスの寄居行は、日に数本ながら、しっかりと地域の足として活躍してらっしゃいました。

(このペイジの作成者 いし)

こんにちは、いしです。

離島界のキングこと長崎県にも、アクセスのしやすい島が沢山あります。長崎市の樺島もその一つ。アクセスがしやすいとは言え、市町村合併前は長崎市ではなかったので、市街地からはそれなりに遠いわけですが。

樺島へは、市街地から長崎半島西岸をひたすら南下する樺島行へ乗車すれば一本です。本数も、昼間でも約40分毎にバスがやってくるという大所帯です。
IMG_8137
樺島行きは、長崎半島の先端にほど近い野母の近くの野母集落も通ります。
IMG_8140
IMG_8141
樺島着。
IMG_8142
IMG_8143
IMG_8144
樺島は大きな車両留置場があるので、ここ泊まりのバスが多いのですねおそらく。
IMG_8145
IMG_8146
IMG_8147
少し釣り人がいる以外は至ってのどかな島。
IMG_8151
赤い橋がかかってますので、歩いてもアクセスできます。
IMG_8153
IMG_8155
バスによっては橋の手前の脇岬までしか来ないバスもありますので。その場合はここから徒歩。20分もあれば島へアクセス可能。
IMG_8157


(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
長崎市街地から国道を南下し、栄上地区から半島の東側、三和町の川原地区方面へ向かうのが、長崎バスの川原線です。
IMG_8126
今回は土井の首中学校から乗車。この辺りまでは、野母崎へ向かうバスと、香焼や伊王島まで向かうバスも走っているので本数が多め。広い二車線道路は、札幌から定山渓へ向かう道路を彷彿とさせます。
IMG_8129
三和町からは東へ折れて東海岸へ。ここからは川原線の単独区間。海も車窓の東側へやってきます。
IMG_8130
川原線の名称の通り、ほとんどのバスはここ川原地区が終点です。バス停的には川原公園前までが16本/日、その先川原公民館までが4本。ただし、2本だけさらに先の岬木場(みさきこば)まで足を伸ばすバスがあります。
IMG_8131
というわけで、終点の岬木場。特に何もありません。時間を潰すには厳しいところで、野母崎から半島を逆回りしてくるバスもここが終点ですので乗り換えが理論上は可能ですが、大変乗り継ぎが悪く、とてつもなく暇を持て余します。あえて類似例を出すとしたら、内房線と外房線が出会う安房鴨川的な立ち位置でしょうか。
IMG_8134
本数の少なさが一目瞭然です。平日は、長崎市のコミュニティバスがやってきますので、幾分か乗り継ぎはマシになります。乗ってきたバスは朝の場合は折り返しがありますが、昼便は川原地区まで回送になってしまうため、休日は朝に乗って折り返すのが吉です。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
IMG_8287
長崎の市街地から国道324号を東進し、田上を越えて、天草灘に面した長崎市の誇る一大漁港茂木港まで行く路線が、長崎バス茂木線です。余談ですが、茂木港からは天草方面に苓北観光汽船が出ています。

市街地から茂木までは日中でも15分に1本は走っているという(おそらく)ドル箱路線の1つです。基本的には茂木止まりですが、半分程度は茂木から海岸沿いの県道34号で半島を南下してその先の集落まで足を延ばします。途中の集落で折り返す便もあるので、最も遠い千々集落までは1日7本だけが運行します。
IMG_8110
もちろん、市街地から山の上の住宅地を抜けて茂木に至るまでの路線もきれいなのですが、その先の海岸線沿いを走るローカル色たっぷりの茂木~千々までの路線は乗車の価値ありです。
IMG_8111
ここは、茂木の先にある宮摺。ここで折り返す便も1日6本あります。茂木行と合わせて都合13本がここまでやってきます。
IMG_8112
山肌にへばりついた集落を辿って、千々へ。同じ長崎市内でも、長崎と聞いて一般に想起する風景はもうありません。
IMG_8113
終点千々には、立派なバス停が。
IMG_8116
この日は、この先平日のみ運行のコミュニティバスでさらに県道を南下しました。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
IMG_8098
中華街至近の中央橋から、飯香の浦線に乗車。しかもこの日はいすゞのキュービックですね。ありがとうございます。
飯香の浦線は、長崎バスの中で最も長崎バスらしい路線の1つと言えるのではないでしょうか。少なくとも私は、長崎のバス路線を1つおすすめする必要が出てきたら(そのような機会が訪れることはあるかという問題はさておき)間違いなく飯香の浦線をおすすめします。

そんな飯香の浦線も、中央橋から思案橋通りを市電と並走する頃までは他の長崎バスと変わらない風景。それでも他都市基準では貴重ですが。
飯香の浦線が本領を発揮するのは、思案橋通りの市電がなくなって道の勾配が急になり、山と山にへばりついた住宅が車窓に迫ってきてから。愛宕町で左折すると、いよいよです。ちなみに、風頭山方面に行かないのであれば、長崎バス1日乗車券はこの先すぐの白木まで。

愛宕町の先の道は急勾配かつ狭隘で「長崎」を存分に楽しめます。朝の下り1便に乗ったのですが、この区間は複数系統が頻発していることもあり、すぐに対向とスレスレですれ違いました。狭隘のすれ違いは見ものです。

白木を出ると車窓はだんだん山深くなってきて、飯香の浦行は峠越えへ。
IMG_8100
市電との並走から始まって、山がちな住宅地の狭路を抜けると、集落の狭い道を通りながら峠越えと、ここまで飽きることなく次々とコンテンツをぶつけてきてくれます。
IMG_8101
重篭バス停を抜けると長崎半島の東側へいよいよ入ります。バスを楽しむことに真剣でこの先写真を残していないのが心残りですが、車巾いっぱいクネクネの峠道を大型車でグングン下りながら(旧型バスだとそのサスペンションも心地よく)終点に近づくと目の前に橘湾が広がって来ます。終盤まで変化に富んだ車窓で、長崎からたった数十分で様々な長崎が堪能可能。
IMG_8102
こちら、終点の飯香の浦バス停。隣にはショップいかのうら。早朝は空いておらず。
IMG_8103
飯香の浦から1つバス停を戻った宮の下バス停からは、茂木方面へ乗り継げます。
IMG_8104
IMG_8105
乗り継ぎは平日2本、土休日1本なので、余程のマニアでない限りおすすめはできませんが。

おまけ
IMG_8106
茂木方面行きに乗れば、海岸線を通って、
IMG_8107
茂木から山へ戻り、田上までアクセス出来ます。長崎半島東海岸バス旅にどうぞ。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
image
仙台市青葉区の山奥に、定義如来で有名な定義地区があります。仙台の市街地からは約1時間に1本の市バスで終点定義まで直通の、定義線でダイレクトにアクセスが可能な、アクセスのよい観光地です。この日も、地元の観光客の方がバスには何名か乗っていました。

この定義線、結構な山奥まで進むのですが、さすが有名な観光地を終点に構えているだけあって、本数は豊富。バスも通常の路線バスと同じ、大型です。
image
この日は、仙山線の愛子から乗車。定義線は仙台市街地から広瀬川の北岸の県道沿いをまっすぐと、ほぼ仙山線と並行しながら走るルートで、仙山線とは熊ヶ根まで並走します。
image
なかなかの本数。ちなみに、愛子駅前バス停は愛子駅のロータリーにはなく、少し南に行った仙山線に平行する国道沿いに位置します。愛子から乗る場合は(そんなケースがあるかどうかはともかく)要注意です。

さて、仙台からやってきたバスは座席が半分ほど埋まるかどうかといった乗車率。定刻で出発し、順調に国道を西へ進みます。少し進んだところで国道から左の敷地に入ると、そこが市バスの白沢車庫です。昔ながらの気取らないバス営業所で時間調整。白沢車庫から数バス停先の熊ヶ根橋までは、定義行、作並温泉行、それから白沢車庫止の入庫便と日中でも30分に1本は本数が確保されている幹線です。

白沢車庫を出発して、定義線は熊ヶ根橋バス停から国道を右折し、作並温泉行と分かれます。ここからは定義線独自区間でフリー乗降区間でもあります。車窓は特にそれまでと変わったところがあるわけではなく、田んぼと山が道の両側に広がりながら、バスはゆるゆると県道を登っていきます。

「大倉ダム」バス停まで到達すると、バスは県道から逸れて、ダム西側の道へ。ここは日曜日だけの走行区間(系統846)ですがバス車巾いっぱいの狭隘区間。スリリングでおすすめです。月曜、土曜はバス東側の片側1車線が確保された県道を走ります。(系統844, 845)狭い路線好きの皆さまにおかれましては、系統846に乗車することを強くお勧めします。仙台駅を日曜日の10:00-14:00に発車するバスです。

ダム周辺は山深さを感じますが、そのさらに先の定義はうって変わって開けた場所。仙台周辺の方々の日帰り観光地となっていて、この日も大変な賑わいでした。

image
image
imageimage

(このペイジの作成者 いし)

久しぶりの更新となりました。いしです。
あいにくの秋雨でしたが、仙台にて乗りバスを少々。
image
すでにご存じの方がほとんどかと思いますが、東北一の大都市仙台には大きく2つのバス会社(宮城交通と仙台市交通局)がありまして、今回は市バスに乗車。
市バスの路線に山奥へ行く興味深い路線を見つけられたことと、鉄道とバス(宮城交通は一部路線だけ乗車可能な一方で、市バスは全線乗車可能)が乗り放題となる「仙台まるごとフリーパス」を偶然にも見つけたのがきっかけです。

※余談ですが、仙台まるごとフリーパスは、2020年度の期間限定で、電子パス版も販売されています。このところ交通事業者がこぞってトライアルしているMaaS施策の一環です。

他の都市にも言えることですが、市内を縦横無尽に何台もバスが駆け抜けながら、そこから1時間もしないところに山間部を走るローカル路線が存在するのが仙台の魅力の1つ。今回は、市バスが誇るローカル路線のうちの1つ「秋保・二口線」に乗車しました。

「秋保・二口線」は、上記写真に写ったバスの系統番号が2桁なことからもわかるように仙台駅からは出ておらず、仙山線の愛子駅から出発し、国道457号を通って、仙台市の西方に位置する太白区秋保町へ至る路線です。秋保町は西に長く、山形県との県境まで街道が繋がっており、バスは宮城県側最後の集落である「二口」まで走っています。
image
乗車は仙山線の愛子駅から。
駅の改札を出てすぐの乗り場から、二口線は出発します。時刻表を確認したら、バスは7本/日(系統83, 85, 87番)しかありません。そのうえ、ほとんどが秋保町の「上ノ原」か「野尻町北」止。さらに終点の二口まで行くバスは、平日は0本、土曜は2本、日曜は1本という少なさです。されど、秋保町のほとんどの民家は「野尻町北」までに存在するのですから、それで十分なのでしょう。

バスは愛子駅を出ると、駅の南にある新興住宅地「錦ヶ丘」へ入り、ぐるっと域内を周りながら、住宅地の乗客を降ろしていきます。秋保・二口線は長距離路線なのですが、このような単距離需要も兼ねているのですね。とはいっても本数が少ないので、錦ヶ丘の方々は市バスよりも頻繁に走っている愛子観光バスの路線を良く使うのだとは思います。

錦ヶ丘を出るとバスは国道を南下し、秋保町へ向かいます。地名がたくさん出てきましたので、この辺で地図をご確認頂ければと思います。

南下して山を越えたところで、秋保温泉に到着。バス停名では「磊々峡」「秋保・里センター」「湯向」あたり。バスはここから方向を変え、県道を西へ向かいます。

秋保温泉は奥州三名湯の1つで、仙台からもほど近い有名な温泉街。車で訪れる方も多いですが、路線バスは今乗ってきた市バスよりも、仙台市街地から名取川沿いの笹谷街道を西進してくる宮城交通の方が本数は多いです(1, 2時間に1本程度)。上述の「仙台まるごとパス」も使えて便利ですから、路線バスでしたらこちらで来るのが一般的でしょう。ちなみに、秋保温泉経由で川崎町へ向かうタケヤ交通も秋保温泉を経由します。

さて、秋保温泉の温泉街を通過した市バス秋保・二口線は、ここから宮城交通の路線バスと同じ経路を通ることになり、県道62号線を秋保町内へ向かって西進します。そうは言いながらも、宮城交通は温泉街にある「秋保森林スポーツ公園」止がほとんどで、この先に向かうバスは土日のみ数本です。

この日は終点の二口まで向かう市バスに乗りましたが、温泉を過ぎてもまだ乗客は一定数が車内に残っていました。本数は少ないながら、地元住民の需要が垣間見えます。

神ヶ根温泉、鴻の巣温泉といくつかの温泉を越えて秋保郵便局まで差し掛かった辺りが秋保町の中心でしょうか。車内に残っていた乗客も、このあたりのバス停で1つ、また1つと降車していきます。
バスの右手に大きな神社が見えたころ、体感ではかなりの距離を乗ったような気がしてきましたが、路線はまだ中盤で、バスはまださらに奥へ分け入ります。
もう少し街を走り、馬場を過ぎて、上ノ原。この辺りはもうだいぶ秋保町の端の方で、バスの乗客も地元民はゼロに。土日の市バスは7本中のほとんど(5, 6本)がこの上ノ原までです。

上ノ原を過ぎると、いよいよ車窓は山深くなってきました。もっと前から山深くはあったのですが、この辺りになると山が迫ってきている感覚になります。ほどなくして、秋保大滝バス停。宮城交通のバスが折返し場に停まっているのが見えました。観光スポットはここまでで、この先に行く人は、地元民かキャンパーか、バス好きの3択でしょう。


もったいぶりましたが、バス好きにとってのメインディッシュはこの先にありました。秋保大滝を過ぎて、ほとんどのバスが折り返す野尻町北を過ぎてすぐ、すなわち平日はバスが走らない区間に入ってすぐ、バスは狭隘区間に差し掛かります。
※バス後部座席に着席していたため、写真は撮れず

野尻町北~昼野の間に、バス車巾目一杯の狭隘区間が現れます。バス左手は窓ぎりぎりにコンクリートで固められた崖ののり面が、右手には名取川の渓谷がバスのすぐ下を流れます。あまりにも狭い区間であるため、区間の入口には信号が設けられているほど。狭い上にくねくね道ですから、万が一対向車と出会ったら難儀することは必須。ここ、バス好きなら乗車して後悔なしです。

ハイライトの狭隘区間は長くは続かず、興奮冷めやらぬうちにバスは「二口」に到着。
image
バスは折返し場で数十分待機して、折り返します。これに乗らないと大変なことになります。
少し折返し時間があってバス好きには嬉しいところ。伝わらないと思いますが、新潟交通佐渡の宿根木線みたいです。ここ二口には、ビジターセンターがあるので公衆トイレもあり、時間は意外とつぶせます。
image
二口の先は林道で、ほとんど何もありません。仙山線が出来るまでは、この二口街道は山形への県境越えのルートだったようですが、それも今は昔。

最後に、せっかくなので二口バス停を撮影。
image
image
image
土日しかないバス時刻表。愛子から二口までは970円です。
このバス停もそうですが、市バスのバス停や車内には営業係数(100円稼ぐためにかかる費用)が書いてありまして、秋保・二口線はワースト8位の営業係数404。今後が危ぶまれる路線の1つです。全路線の営業係数はこちら

余談ですが、ワースト1位は八ツ森線で営業係数1,490。JR北海道もびっくりの数値です。本当は八ツ森線も乗りたかったのですが、平日のみ運行なので断念。早く乗りに行かないと。

(このペイジの作成者 いし)

↑このページのトップヘ