旅に、出た。

バス乗ったり、島行ったり。マニア2人の共同旅ブログ

乗り物好き若手リーマン2人、それぞれの旅行記録

タグ:ヨーロッパの鉄道

どもどもてらです。
この記事は 東欧2017 ウィーン編 の続きです。
東欧2017 目次
I.ワルシャワ 
II.クラクフ
III.カトウィゼ
IV.オロモウツ
V.ウィーン
VI.ブラチスラヴァ(このページ)
VII.ブルノ
VIII.ブタペスト

前回のウィーン編はこちら


行ったのは4年前、記事の構想は2年前…猛省
スロバキアの首都、ブラチスラバも国鉄駅を中心として複数の系統のトラムが存在する。
歴史は1895年と古く、現在は交通公社が総延長41㎞、5つの系統を運航している。
滞在が1泊だったため写真は少ないがいくつか紹介しようと思う。

事前にガイドブックなどで調べた際に、治安について中央ヨーロッパ諸国は東アジア人が凶悪な犯罪に巻き込まれることは少なく、
スリに気を付けるようにという記述がされていた。のだが…
ポーランド、チェコと周ってきた後にスロバキアのブラチスラバ中央駅に降り立つと、どことなくざわざわとした雰囲気
チェコに比べて工業化が遅れている点などは関係があるのだろうか…。
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翌日、観光しながら、何回かトラムに乗車したので写真をいくつか紹介する。
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ブラチスラバ中央駅から市街地までは1.5キロほどあり、ドナウ川のほとりに旧市街はある。
大荷物を抱えての移動はやや難儀だったのでトラムにお世話になった。
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主要な系統であるためか、シュコダの低床連接車両がやってきた。(Škoda 29 T)
石畳の街並みを走る近代的なトラム、ドナウ川の傍であるためか朝の霧は濃かった。
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観光がてらブラチスラバ城付近まで、トラムを見ながら歩いて回った。
Kapucínska電停付近にて(Tatra T6A5)Tatraの古い形式のトラムはプラハでも見られるようなツートンカラー 塗装であった。
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最後にブラチスラバ中央駅前にて停車しているトラムを一枚。(Tatra K2s)
駅の中のツンとしたにおいや、他都市とは違うざわざわとした雰囲気だったせいか
スマホにもカメラにも中央駅近辺のあまり写真が残っていないのが、今となっては少し残念である。

(このページの作成者 てら)

どうもてらです。

この記事は 東欧2017 オロモウツ編 の続きです。
東欧2017 目次
I.ワルシャワ 
II.クラクフ
III.カトウィゼ
IV.オロモウツ
V.ウィーン(このページ)
VI.ブラチスラヴァ
VII.ブルノ
VIII.ブタペスト

前回のオロモウツ編はこちらです。


乗ったのは4年前、記事の構想を練りだしたのは2年前…。
チェコ国鉄でウィーンに出た私といしは、半日観光がてらウィーンのトラムも何本か乗った。
オーストリアの首都、ウィーン市内は6つの地下鉄に加えて、220㎞の路線網を持つトラムやバーデン線と言われる近郊型私鉄が走っている。
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ウィーンの旧市街の狭い路地も縫うように路面電車が走る。
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基本的に市内の中心部の観光地を回る主要路線は低床の連接トラムが走っているのだが…
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このように旧型のトラムが列を成していることもある…。3本連続は圧巻。Type E2+c5はまだまだ100組成以上走っているそうだ。
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国会議事堂付近にて撮影した一枚。白い街並みに少しくすんだ赤の塗装が映える。
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ウィーン西駅にほど近い、Urban-Loritz-Platz電停にて。特徴的なテントのような屋根が開放感があってよい。
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最後、国鉄に乗るまでに時間があったのでバーデン線の車両も見学(共通の切符で乗れるかわからなかったので乗らなかったけど、どうやら市内共通一日乗車券などでは乗ることができるようだ。)
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こちらはバーデン線の新型車。バーデン線はウィーンの中心部から南に約30㎞の路線を持つ私鉄で、市内はウィーン市交通局に乗り入れ郊外は80km/h近くで走る鉄道である。
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ウィーン旧市街の中にある地下鉄駅(Karlsplatz)の出入り口。どうもあとから調べてわかったのだが、よくガイドブックとかで紹介されている出口はこの真裏から撮影しているらしい…。ここからとっても十分高貴さがあって華美なのだが…。

コロナでなかなか外出できない日々、過去の写真を見返して海外へ行きたい気持ちがまた湧いてくるのであった。

(このページの作成者 てら)

どうもてらです。
この記事は 東欧2017 カトウィゼ編 の続きです。
東欧2017 目次
I.ワルシャワ 
II.クラクフ
III.カトウィゼ
IV.オロモウツ(このページ)
V.ウィーン
VI.ブラチスラヴァ
VII.ブルノ
VIII.ブタペスト

前回、カトウィゼ編はこちら

カトウィゼからボフミン、オストラヴァ経由でオロモウツへやってきた。
人口10万人と少しの小規模な町であるが、世界遺産にも登録されている三位一体広場などが有名な地域である。
トラムの総延長も30㎞とチェコの諸都市のなかではやや小ぶりだ。
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チェコ国鉄のオロモウツ中央駅。
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中央駅につけるようにトラムが走っている。これはTatra社のT3 当時は一番多い車両だったが2018年になんと低床車の新車が入り、最大勢力ではなくなってしまったようだ。
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Inekon 01 Trioという形式は3両しかいないためあまりみることができなかった。
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トラムは写真のような狭い中心市街地にも乗り入れる。写真は三位一体広場付近であり、路駐の車もあふれているためトラムがやや窮屈そうだ。
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写真のようにトラム優先なのか道幅の狭い地域は停留所ごとに停車するトラムの後ろに車の列ができていた。
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ぐっと冷え込んだ翌朝、中央駅に行くためにホテルから駅までトラムに乗ったところものすごい霧が出ていた。やや哀愁の漂うトラムとの別れになった。



(このページの作成者 てら)

どうもてらです。
この記事は 東欧2017 クラクフ編 の続きです。
東欧2017 目次
I.ワルシャワ 
II.クラクフ
III.カトウィゼ (このページ)
IV.オロモウツ
V.ウィーン
VI.ブラチスラヴァ
VII.ブルノ
VIII.ブタペスト

前回、クラクフ編はこちら


乗り換えの時に立ち寄っただけなのだが、トラムの往来が多く何枚か写真を撮ったので紹介したいと思う。
カトウィゼのトラムの正式な名称はシレジアインターアーバンと言われ、13都市を結び26系統が運行されている。都市間を結ぶトラムということもあり、東西は50㎞近くに及ぶ範囲を走っており、営業路線の総延長も178㎞にも及ぶ。(東京メトロは195㎞)

乗り換え時間が1時間近くあったので、国鉄駅から電停一つ分あるいて、Katowice Rynekで行きかうトラムを眺めた。乗ったわけではないので、同じところからの写真の羅列になってしまい申し訳ない。
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Konstal 105N HF 11 AC 19番系統はStroszek Zajezdniaまで行く系統で、1時間以上のロングラン運用である。
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Konstal 105N 駅の東側の電停にて
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Konstal 105Na 単行で走っているタイプ カトウィゼ周辺だけで完結する系統の運用についている。
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Konstal 105-2K
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SGP/Lohner E1 カトウィゼからシレジアに行く都市間輸送を担当する系統。
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交差点のポイントは自動で動いていたが、たまたまポイント不転換が生じており、手動でポイントを扱っていた。

次回、オロモウツ編はこちら

(このページの作成者 てら)

どうもでらです。
この記事は 東欧2017 ワルシャワ編の続きです。
I.ワルシャワ
II.クラクフ(このページ)
III.カトウィゼ
IV.オロモウツ
V.ウィーン
VI.ブラチスラヴァ
VII.ブルノ
VIII.ブタペスト

前回のワルシャワ編はこちら


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ポーランド第二の都市、クラクフにもトラムが走っている。クラクフといえばポーランド第2の都市で旧市街地が世界文化遺産に登録されている文化都市である。
クラクフのポーランド国鉄の駅は中心部から少し離れており、トラムも駅前から出ているもののTeatr Słowackiegoまで歩いたほうがトラムの往来をのんびりとみることができる。また、観光地を結ぶ系統は決まっているため乗りやすい。
クラクフはワルシャワに次ぐ第二の都市ということもあり総延長90km、27系統が運行している。4時台から24時台まで運行されており、早朝深夜もそれなりの運行頻度で会った
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古い町並みに溶け込んでいるトラム クラクフ歴史地区をなぞるように走っている。
ちょっと遠くに移っているが、写真はBombardier NGT6型だ。
車両はワルシャワに比べて多くの形式が運用されているようだが、Bombardier NGT6型、EU8N型、SGP/Lohner E1 + C3型などが中心であった。
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系統が異なる列車の続行運転も数多くあった。街並みを縫うようにして走るので、観光がてら乗るのも楽しい。写真はSGP/Lohner E1 + C3型
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EU8N型は部分的に低床となっているため観光客が多い路線で多く運用されていた。
クラクフ郊外の観光地、コシチュシコ山への路線の運用に入っていた。
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コシチェコ山から望むクラクフの街並み
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せっかくなので終点のループ線を折り返す様子を見学してみたくて、10系統の終点であるPleszów電停へ。写真はSGP/Lohner E1 + C3型。ぱっと見た感じ当時は一番多い車両であった。
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終点では路線バスとの乗り換えが考慮されている。
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Kombinat電停付近にて
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乗り鉄しているうちに違う系統に乗り換えられそうだったので降りたWiadukty電停。
電車が来ないとちょっと不安であった…。
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SGP/Lohner E1型の車内。つり革は輪っかをそのままつかむ形式。ちょっと薄暗い感じが中欧感漂う。
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郊外から中心部に戻ってきた。旧市街地の北東端に位置するTeatr Słowackiego電停。
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夕食と買い物を済ませた後Dworzec Główny Tunel電停でトラムの往来を眺めた。国鉄駅の地下に設けられた電停だ。写真に写っているのは比較的新しいPesa2014n型

あまり観光地の紹介を併せて行うことができなかったが、観光しながら路面電車も楽しむことができ、初来訪にしては満足であった。

次回、カトウィゼ編はこちら

(このページの作成者 てら)

どうもてらです。
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2019年に相方のいしが欧州各都市を周遊し、そのときの記録を【東欧2019】シリーズにまとめているのだが、欧州各都市のトラムに関する記事を多くの方が読んでくださっていた。
そこで、2017年と少し過去のデータになってしまうが、私といしが東欧各都市を周遊した時の記録をもとに乗り鉄記録をつづる。

東欧2017 目次
I.ワルシャワ (このページ)
II.クラクフ
III.カトウィゼ
IV.オロモウツ
V.ウィーン
VI.ブラチスラヴァ
VII.ブルノ
VIII.ブタペスト

ワルシャワに来て驚いたのが湿度が低く埃っぽい点だった。真冬という事もあるのだろうが、マイナス10度をゆうに下回る寒さで雪とススの汚れが目立つ車両が多かった。
ワルシャワのトラムは20分券、75分券、90分券、一日券(購入から24時間有効)とあるのだが、20分券5回購入するならば一日券の方が安くなるため、トラムを乗る目的ではなく観光目的でも一日券で充分役割を果たすだろう。
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ワルシャワは130㎞あまりの路線長と30近くの系統のトラムが運行されている。その中でもワルシャワ中央駅を中心に東西に走る幹線が高頻度でトラムが行きかう。(参考までに東京メトロが195㎞、大阪メトロがニュートラムを含むと138㎞)
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Wiatraczna電停のようにランアバウトの交差点の中央に電停が設置されて乗換えの便宜が図られていた。Konstal 105Na(奥)とPesa Swing (120Na)
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現役で一番古いKonstal 105Na型も元気に走っているし、最大勢力である。
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ワルシャワ旧市街をまたぐバイパスもトラムが通過している。写真は(Stare Miasto電停付近)
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ワルシャワの特筆すべき点は速度(であると思う)急加速、急減速もあたりまえで、並行するバスや自動車に負けないスピードで走行する。
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車両はこのように制御車と付随車のセットになっている。日本の路面電車と違い、運転台が一つしかないため、終点で運転台を変わることはない。
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では、どうやって折り返すのかはこちらを見てほしい(写真は同じポーランドのクラクフ)
終点の電停には折返し場があり、このように円を描いて元来た方向へ戻っていく。
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ワルシャワ市の紋章が各車、車番の上に貼られている。
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車内は黄色に塗装されており、扉のそばにある改札機に切符を通すことができるようになっている。
切符の改札をせずに乗っていると不正乗車とみなされて罰金を取られるので要注意だ。…が、あまり巡回員を見かけることはなかった。
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行きかうトラムと国鉄を撮影するためにワルシャワ東駅(Warszawa Wschodnia)へ
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私といしがワルシャワを訪れた際は古い塗装の車も走っており、運よく撮影することができた。
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ワルシャワに滞在したのは深夜の飛行機で着いて翌々日の早朝に出発したので、正味1日足らずであったが、行きかうトラムを思う存分満喫できた。

次回、クラクフ編はこちら


(このページの作成者 てら)

こんばんは。いしです。
東欧2019:XIの続き。目次はこちら
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スロヴァキアとチェコを結ぶ鉄道の主要ルートは2つある。①ブラチスラヴァ(Bratislava)とブルノ(Brno)をブジェツラフ(Breclav)経由で結ぶ南部ルート、もう1つは②ジリナ(Zilina)からオストラヴァ(Ostrava)をチャドツァ(Cedca)経由で結ぶ北部のルートだ。

※一方、マイナーなルートも存在する。1つは③ジリナからヴセティーン(Vsetin)を経由してオロモウツ(Olomouc)へ抜けるルート。2時間に1本、ジリナ発プラハ行の急行列車が走っている。もう1つは④トレンチーン(Trencin)からVrbovce経由でヴェセリー(Veseli nad Moravou)へ抜けるルートだ。
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写真は、ルート④を走る普通列車。トレンチーン駅にて。

今回のトレンチーンからブルノ(Brno)への国境越えでは①のブラチスラヴァ経由を選択した。
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普通列車が連結作業をしているホームの反対側に、乗車予定の列車が滑り込んできた。
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乗車するのは、R604列車DARGOV号ブラチスラヴァ行。トレンチーンを12:25発予定のところ、15分延でやってきた。前回乗ったIC列車と同じく、車内は清潔かつ快適で、スロヴァキア語と英語の自動放送が各駅到着前にある。


この列車の切符は、トレンチーン駅の窓口で、ブラチスラヴァ乗り換えでチェコ共和国のブルノまで、乗車前日に購入した。地方都市ではあるが駅では片言の英語が通じ、比較的容易に切符を入手できた。ただ、列車の座席は予約時点でほとんどが埋まっていた。実際、車内は指定していない立ち客がデッキに居る区間もあった。


結局、列車は終点ブラチスラヴァ中央駅にも15分遅れのまま到着した。

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東欧2019:XIIIへ続く。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
東欧2019:Xの続き。目次はこちら
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コシツェ(Kosice)から北経由でブラチスラヴァ(Bratislava)方面へ抜ける路線は、スロヴァキアの重要路線だ。この日は、コシツェから途中のトレンチーン(Trencin)までインターシティ(Inter City)で移動した。

この日乗車したのはICだが、この区間は需要が多いためにその他の種別の列車も頻繁に走っている。スロヴァキア国鉄(ZSSK)のサイトには全線の時刻表が載っているため詳しい説明は省くが、ICやSC、EC、私鉄などをあわせて、コシツェからブラチスラヴァまで1~2時間に1本は列車がある(注1)。また、途中のジリナ(Zilina)から分岐してチェコのプラハ(Praha)方面へ向かう列車も含めれば、本数は倍増する。詳しい時刻表はこちら

注1:スロヴァキア国鉄が運転する列車の種別は多い。①インターシティ(IC):国内長距離列車(いわゆる特急。ブラチスラヴァーコシツェ)②ユーロシティ(EC):国際長距離列車(ICとほぼ同じ)③スーパーシティ(SC):ペンドリーノ(Pendolino)で運転する振り子式特急列車(スロヴァキア国内はプラハーコシツェ間のみ。ICとほぼ同じ)④R:国内長距離列車(いわゆる急行)⑤REX:快速列車⑥Os:普通列車。

今回、切符はあらかじめ日本でZSSKの公式サイトを使って購入した。ZSSKの公式サイトは、ここ数年で英語コンテンツが充実し、非常に見やすくかつ使いやすくなった。たいていの列車の切符をオンライン予約できるのはもちろん、乗換案内だけでなく、pdf形式で全線の時刻表を見られるのは、自分で旅の予定を立てたい鉄道マニアには嬉しい仕様だ。

IC列車に限っては、ウェブ上で座席表を使っての座席指定まで出来た。便利...
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写真は、乗車したIC522列車。主な時刻表と編成は以下の通り。
11:12 Kosice
11:25 Kysak
12:02 Spisska Nova Ves
12:20 Poprad-Tatry
13:06 Liptovsky Mikulas
13:25 Ruzomberok
13:51 Vrutky
14:09 Zilina
15:03 Trencin
15:39 Trnava
16:02 Bratislava hlavna

自Kosice
2等車5両

食堂車

1等車1両

機関車
至Bratislava
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国鉄が力を入れているIC列車なだけあって、LEDの行先票が。
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車内も大変綺麗で、途中で水を配るサービスもあった。

IC522列車は、地図を見ると一目瞭然なように、山がちなスロヴァキアを西から東へ横断していく。車両は昔ながらの食堂車込みの客車列車だ。11:12に定刻でコシツェを発車すると、雪景色の山の中をずんずんと進んでいく。次のキサックからは少し乗車があり、列車は快調に90km/h前後で走りはじめた。石北本線のような山がちな景色だが、積雪はそれほど多くない。ただ、ダムも川も凍っている。
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発車して1時間が経った12:20、列車はポプラトに突入し、車窓にはヴィソケータトリという山が見えてきた。少し汚れた車両の窓越しでも十分綺麗で、スロヴァキアの人も皆スマホで写真に収めていた。山の玄関口のポプラトタトリー駅からは多くの乗客が乗ってきて、車内は8割方座席が埋まった。相変わらず、スロヴァキアは鉄道需要が旺盛な国であることを感じられる。


さらに車窓に山が迫ってきてほどなく、列車は目的地であるトレンチーンに到着した。

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東欧2019:XIIに続く。

(このペイジの作成者 いし)

東欧2019:IIIの続き。目次はこちら
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セルビアからハンガリーへは、バスや鉄道で移動出来ます。鉄道はベオグラード(Beograd)とブダペスト(Budapest)の間を3往復/日(うち1往復は夜行)しており、今回は、ベオグラードからブダペスト経由でウィーン(Wien)まで向かうユーロシティ344(EC344)列車に乗車しました。日本ではもちろんのこと、今やヨーロッパでも数が減少して貴重になってきた、長距離列車の記録です。


1. EC344列車の概説

ヨーロッパの主要な国際列車には名前が付いていて、EC344列車はその折返しのEC345列車と共に、アヴァラ(AVALA)号と名付けられています。AVALA号は機関車で牽引される昔ながらの客車列車で、乗車日は4両編成でした。

ちなみに、普段の編成はこちらのファンサイトで確認できます。このサイトによるとウィーン行AVALA号の基本編成は以下の通り。

自Beograd
2等車1両(Wienへ直通)

2等車2両(Budapest止)

1等車1両(Budapest止)

2等車2両(国境で増結→Budapest止)

機関車
至Budapest

ブダペストで進行方向が入れ替わり、車両も2等車1両を残して増解結。

自Budapest
機関車

2等車1両(Beogradから直通)

2等車2両(Budapestから)

1等車1両(Budapestから)
至Wien

すなわち、ベオグラード発ウィーン行と謳ってはいるものの、実際に直通するのは2等車1両のみで、後は全て途中のブダペストで入れ替わることになります。セルビア・ハンガリー間とハンガリー・オーストリア間の需要を拾う列車で、セルビアからオーストリアまで通して乗る客はほとんど居ないということでしょうか。

確かに、時刻表を確認するとそれも納得で、AVALA号はとにかく鈍足の列車です。主要駅の時刻表はこの通り。

EC344(AVALA)
 7:13 Beograd Centar
 9:15 Novi Sad
11:32 - 12:02 Subotica(国境)
12:16 - 12:46 Kelebia(国境)
16:05 - 16:40 Budapest Keleti
19:21 Wien Hbf

もしベオグラードからウィーンまで乗り通せば、12時間以上もかかります。ブダペストまででも9時間。直通して乗り通すくらいなら、飛行機やバスの方が断然早く、バスや飛行機が未発達だった時代ならいざ知らず、なぜ未だに直通列車が走っているのか大きな謎です。


2. ベオグラード⇔ブダペスト間の列車

前述したように、ベオグラード⇔ブダペスト間は夜行列車も存在します。よって、景色に興味が無ければ夜行を使う手もあります。この区間の直通列車は以下の3往復です。

Beograd→Budapest
EC344 "AVALA" 7:13→16:04
IC342 "IVO ANDRIC" 11:13→20:04
340列車 "BEOGRAD" 21:15→5:50【夜行】

Budapest→Beograd
341列車 "BEOGRAD" 22:15→6:43【夜行】
IC343 "IVO ANDRIC" 7:57→16:42
EC345 "AVALA" 11:57→20:42

ハンガリー国内のこの区間の時刻表はこちら。ハンガリー国鉄(MAV)のサイトでは、ハンガリー語のみだがPDFでほぼ全路線の時刻表が手に入ります。ハンガリー語で時刻表はMenetrendekと綴るようなので、公式サイトでMenetrendekの文字を探せばアクセス可能(2019年の路線別時刻表はこちら)。路線番号は、Terkepekという文字を同じようの公式サイトで探せばわかります(2019年時点の路線図はこちら)。また、非公式ですが日本語版ウィキペディアにも載っています。ただし、急な運休には対応していないので、その後にハンガリー国鉄の検索サイトで改めて自分の乗る日に列車が動いているかを検索した方が無難です。


3. ブダペスト⇔ウィーン間の列車

AVALA号の走る区間では、ブダペストーウィーン間の方がベオグラードーブダペスト間より列車の本数が多く、需要の高さが伺えます。直通列車はレイルジェット(Rail Jet)が約2時間に1本の計7往復、その合間を縫って近隣諸国からのユーロシティ等が5往復走る特急街道で、AVALA号はその一翼を担っています。


4. 乗車の記録
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今回乗ったAVALA号のルートはこちら

最近出来たばかりの、人の少ないベオグラード中央駅から列車は発車します。首都の中央駅とは思えないほど周りに何もなく、人もまばら。日本だとローカル線の小さな駅並みの人の入りです。いかにセルビアで鉄道が使われていないかを感じられます。
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車両は予定通りの2等車3両、1等車1両の4両編成。全車、ハンガリー国鉄の車両で、最後部が1等車です(後述のように、すぐに進行方向が変わったので、結果的にはすぐに1等車が先頭車両になりました)。
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ベオグラード中央駅を定刻に発車した列車は、ガラガラの車内のままゆっくりと進んでいきます。ベオグラード市街を出ると車窓は一気にひらけて、昨晩からパラパラと降り始めた雪にうっすらと覆われた畑が、どこまでも続きます。
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ベオグラードから1時間ほど経ったGolubinci駅では運転停車を行い、貨物列車2本のすれ違い待ちと、機関車を付け替えて方向転換が行われました。新しい線路のようなものが車窓に見え、あとで地図で確認するとわざわざ方向転換する必要のない線形のようなので、どうやら工事中だけここで方向転換しているのかもしれません。

列車はその後も定刻で進みます。通過する駅にも停車する駅にもほとんど駅員が居て、列車の通過監視を行なっています。ハンガリーやチェコ、スロヴァキアでもこういう一昔前の風景を目にすることができますが、一体いつまで続くのでしょうか。
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最近まで使われていた鉄道道路併用橋を左手に見ながら、中国の一帯一路プロジェクトで完成したばかりの新しい鉄道橋でドナウ川を渡るとすぐに、列車はNovi Sad駅に到着しました。9じ過ぎという早い時間にもかかわらず、多くの人が乗ってきます。ガラガラだった車内は8割方座席が埋まりました。その後も列車は時刻通り順調に進みます。10:38にBacka Topola駅を発車すると、一段とスピードは遅くなり、列車の揺れも増えて、国境の町Suboticaまでノロノロと走っていきます。

Subotica駅には11:33に到着。先頭にいた機関車が外されてほどなく、国境の管理官が乗り込んできて乗客全員のパスポートが一度回収されました。パスポートの返却を待つ間、列車はずっと駅に止まっています。12:00には、ホーム反対側に逆方向の343列車ベオグラード行も入ってきました。

約30分ほどでパスポートが返ってきて、機関車の付け替えも終わり、列車は再び動き出します。少しして、どこまでも続く灰色の金網を超えるとハンガリーに入国。すぐにKelebia駅に到着します。
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Kelebiaではハンガリーの入国審査が行われます。シェンゲン協定加盟国への入口でもあるため、審査は念入りです。まず拳銃を持った警察官が4人乗り込んできて、パスポートチェックです。パスポートを機械で読み込み、スタンプを押します。中には虫眼鏡で念入りにパスポートをチェックされている人も居ました。

パスポートチェックと同時に、車内に隠れている人が居ないかも隈なくチェックされます。車両のドアは全て開けられ、トイレはもちろん、デッキの天井板を外してハシゴと懐中電灯で天井裏を確認したり、壁板を外して機械室に人が居ないかどうかまで確かめます。

続いて税関と思しき人が乗客の荷物チェックを行います。タバコと酒を所持しているかを聞かれた後、大きな荷物は大抵開けることを求められました。
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定刻より15分ほど遅れた13:00、全員の荷物チェックが終わり、先頭にブダペスト止まりの2等車2両を増結して(上の写真、青地に赤帯の車両が増結車)、列車は再び動き出します。ハンガリー国鉄の車両を使っているからか、ここからは各駅の発車時と到着時に駅名の自動放送も流れます。
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途中、Kiskunhalas駅は13:30の発車。もともと多めだった停車時間のおかげで遅れは短縮されました。ハンガリーに入った列車は、駅舎はおろか屋根もホームもなくてベンチがあるだけというような小駅(写真は駅舎も屋根もホームもない駅。女性が1人だけ踏切から乗車してきました)にも停車しながら、セルビアと変わらない白く広大な畑が広がる景色の中を、ゆっくりと進んでいきます。国境からブダペストまで3時間もかかるのが頷けるスピードと停車駅です。
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今回の目的地ブダペスト東駅にはほぼ定刻の16時過ぎに無事到着。到着ホームは駅舎からは外れた端にある13番ホームでした。駅舎の方へ少し歩くと、上記写真の大きなドーム状の屋根の駅舎が迎えてくれました。

東欧2019:Vへ続く。

(このペイジの作成者 いし)

※2018年夏より、ベオグラードの国鉄駅がBeograd Glavna StanicaからBeograd Centarに変更になっています。詳しくはこちら(セルビアちゃんねるさんのyoutubeページにジャンプします)。

東欧2019:IIの続き。目次はこちら
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セルビア共和国の首都ベオグラードには地下鉄こそないものの、バス、トラム、トロリーバスが市内を縦横無尽に走っていて、移動が便利なだけでなく、乗ったり見たりするのにも飽きることがありません。

とりわけ、旧鉄道駅前は複数の系統が発着して往来も激しく、その場で眺めているだけでも十分楽しめます。周りの風景もヨーロッパの典型的な古い建築から最近の建物までが立ち並び、その猥雑さは他のヨーロッパ都市と一味違った風景を見させてくれます。
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黄色の建物が昨年まで使われていた鉄道駅で、風格のある造り。目の前の電停に止まっている赤い車両(Tatar KT4)は、頻繁に走る9系統です。
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旧鉄道駅構内は自由に入れますが、パトカーが数台置いてあって警察官が居る以外は何もなく、荒れ果てています。ここには新しくビルが建設されるようです。
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こちらは、この日11系統に入っていた黄色いトラム(Schindler)。ほとんどの車両が赤色のため、黄色の車体は目立ちます。屋根上の赤い所には、このトラムがかつてスイスのバーゼル(Basel)を走っていたと書かれていおり、ベオグラードで第2の人生を送っている模様。
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この日は、緑の車両も運用に入っていました。
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緑のトラムはもう一台(Duewag GT6)。こちらも先ほどの黄色い車両と同じく、譲渡された車両のようです。
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一般的な赤いトラムは、この車両(Tatar KT4)が多く見受けられました。本数の多さや、車内を見て確認出来た乗客の多さから、9系統は相当需要が高いと見受けられ、新型の長い低床車両(CAF Urbos 3)が積極的に投入されていました。また、この車両が2連結されて運転している時もありました。

新型の長い低床車両は7系統、12系統にも導入されていました。

訪問した2019年1月時点では、鉄道駅の北のEkonomski fakultet電停からさらに北方に位置するPristanište電停までの2電停間が工事で通行止めのため、2、11系統などが運転区間の短縮または変更を行っていました。変更の際は、系統番号の後ろにキリル文字のЛをつけて運転しているようです。
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ベオグラードの市内交通はこのカードで乗車が可能。1回車内の機械にタッチすればそこから90分有効で運賃は89ディナール(約90円)です。タッチするときに5人まで人数も選択できます。また、遠出するときはゾーン1から5まで選択できます。

このカードは街中に無数に存在するキオスクで一枚250ディナールで購入でき、キオスクで、東京のスイカのように任意の金額をチャージし、使い続ける仕組みです。ベオグラードではかなりの人に英語が通じたのが嬉しいところ。ただし、カードの購入やチャージができないキオスクも多々ありましたので、購入やチャージをする際は複数の店で断られる可能性を頭に入れておくと、ストレスが軽減します。

ちなみにスーパーもキオスクもヨーロッパにしては珍しく、24時間営業のところが結構ありました。便利です。
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坂の多いベオグラードには、トロリーバスも走っています。写真は、トロリーがバスの進行方向とは別の架線に進んでしまったのを直そうとしているところ。運転手がバスの後方に回ってトロリーを一度架線から外し、手でトロリーに繋がった紐を手繰り寄せながら元の正しい架線に戻していました。
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案外すんなりと作業は終わって、バスは出発していきました。

今回紹介したベオグラード市街地の最新の公共交通の地図と時刻表はこちらから確認が可能。また、全体の路線図はこちらから確認できます。


東欧2019:IVへ続く。

(このペイジの作成者 いし)

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