旅に、出た。

バス乗ったり、島行ったり。マニア2人の共同旅ブログ

乗り物好き若手リーマン2人、それぞれの旅行記録

タグ:バス

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路線バス好きにはあまりにも有名な狭隘路線の1つが、井笠バスカンパニーの運行する笠岡福山線です。
山陽本線や新幹線停車駅を結ぶ路線とあって、路線バス乗り潰し界隈的には大変好アクセスですが、ここ数年の間に土日の運行が取り止めとなってしまい、平日しか乗れない難易度の高い路線に。(もっともこの路線に限った現象ではなく、むしろ走ってくれているだけ大変ありがたいのですが)

2020年6月改正ダイヤ(平日のみ運行)
笠岡駅発8:10 11:25 15:10 16:10
福山駅発9:35 11:10 16:50 17:30
※所要約58分。便により若干の差あり
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さてこの日は笠岡11:25の福山行に乗車し、出発してほどなく狭隘区間へ。
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この路線は笠岡市と福山市にまたがり(というか岡山県と広島県にまたがるわけですが)、狭隘路は笠岡市側がメインで、ハイライトは笠岡駅に近いところにある集落内のクランク。

運転手さん曰く、ハイライトが左側に座った乗客席から見やすいのは福山→笠岡の方向の便とのことで、バスマニアは大体、笠岡行に乗るんだとか。確かに家に迫ってる感があって、狭隘区間が終盤に来るのはマニア的には盛り上がる気もするので納得です。
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福山に入ると広い道が多くなります。
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と言っても十分狭い道もあります。
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写真には収めませんでしたが、福山市内の片側2車線道路をグングン走るところも、郊外を走る路線バスといった感じで個人的には推しです。

次はぜひ福山→笠岡の方向で再訪したい路線です。

(このペイジの作成者 いし)

こんにちは、いしです。

離島界のキングこと長崎県にも、アクセスのしやすい島が沢山あります。長崎市の樺島もその一つ。アクセスがしやすいとは言え、市町村合併前は長崎市ではなかったので、市街地からはそれなりに遠いわけですが。

樺島へは、市街地から長崎半島西岸をひたすら南下する樺島行へ乗車すれば一本です。本数も、昼間でも約40分毎にバスがやってくるという大所帯です。
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樺島行きは、長崎半島の先端にほど近い野母の近くの野母集落も通ります。
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樺島着。
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樺島は大きな車両留置場があるので、ここ泊まりのバスが多いのですねおそらく。
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少し釣り人がいる以外は至ってのどかな島。
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赤い橋がかかってますので、歩いてもアクセスできます。
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バスによっては橋の手前の脇岬までしか来ないバスもありますので。その場合はここから徒歩。20分もあれば島へアクセス可能。
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(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
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長崎の市街地から国道324号を東進し、田上を越えて、天草灘に面した長崎市の誇る一大漁港茂木港まで行く路線が、長崎バス茂木線です。余談ですが、茂木港からは天草方面に苓北観光汽船が出ています。

市街地から茂木までは日中でも15分に1本は走っているという(おそらく)ドル箱路線の1つです。基本的には茂木止まりですが、半分程度は茂木から海岸沿いの県道34号で半島を南下してその先の集落まで足を延ばします。途中の集落で折り返す便もあるので、最も遠い千々集落までは1日7本だけが運行します。
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もちろん、市街地から山の上の住宅地を抜けて茂木に至るまでの路線もきれいなのですが、その先の海岸線沿いを走るローカル色たっぷりの茂木~千々までの路線は乗車の価値ありです。
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ここは、茂木の先にある宮摺。ここで折り返す便も1日6本あります。茂木行と合わせて都合13本がここまでやってきます。
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山肌にへばりついた集落を辿って、千々へ。同じ長崎市内でも、長崎と聞いて一般に想起する風景はもうありません。
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終点千々には、立派なバス停が。
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この日は、この先平日のみ運行のコミュニティバスでさらに県道を南下しました。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
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中華街至近の中央橋から、飯香の浦線に乗車。しかもこの日はいすゞのキュービックですね。ありがとうございます。
飯香の浦線は、長崎バスの中で最も長崎バスらしい路線の1つと言えるのではないでしょうか。少なくとも私は、長崎のバス路線を1つおすすめする必要が出てきたら(そのような機会が訪れることはあるかという問題はさておき)間違いなく飯香の浦線をおすすめします。

そんな飯香の浦線も、中央橋から思案橋通りを市電と並走する頃までは他の長崎バスと変わらない風景。それでも他都市基準では貴重ですが。
飯香の浦線が本領を発揮するのは、思案橋通りの市電がなくなって道の勾配が急になり、山と山にへばりついた住宅が車窓に迫ってきてから。愛宕町で左折すると、いよいよです。ちなみに、風頭山方面に行かないのであれば、長崎バス1日乗車券はこの先すぐの白木まで。

愛宕町の先の道は急勾配かつ狭隘で「長崎」を存分に楽しめます。朝の下り1便に乗ったのですが、この区間は複数系統が頻発していることもあり、すぐに対向とスレスレですれ違いました。狭隘のすれ違いは見ものです。

白木を出ると車窓はだんだん山深くなってきて、飯香の浦行は峠越えへ。
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市電との並走から始まって、山がちな住宅地の狭路を抜けると、集落の狭い道を通りながら峠越えと、ここまで飽きることなく次々とコンテンツをぶつけてきてくれます。
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重篭バス停を抜けると長崎半島の東側へいよいよ入ります。バスを楽しむことに真剣でこの先写真を残していないのが心残りですが、車巾いっぱいクネクネの峠道を大型車でグングン下りながら(旧型バスだとそのサスペンションも心地よく)終点に近づくと目の前に橘湾が広がって来ます。終盤まで変化に富んだ車窓で、長崎からたった数十分で様々な長崎が堪能可能。
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こちら、終点の飯香の浦バス停。隣にはショップいかのうら。早朝は空いておらず。
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飯香の浦から1つバス停を戻った宮の下バス停からは、茂木方面へ乗り継げます。
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乗り継ぎは平日2本、土休日1本なので、余程のマニアでない限りおすすめはできませんが。

おまけ
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茂木方面行きに乗れば、海岸線を通って、
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茂木から山へ戻り、田上までアクセス出来ます。長崎半島東海岸バス旅にどうぞ。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。

長崎の路線バスの中で、最も好きなバス停を問われたら、今のところ「立神」と答えるでしょう。立神は山と海の間の急斜面に家が張り付いた集落ですが、海岸に大きな造船所があって朝夕の通勤時間帯ともなれば、長崎市内各地から次から次へとバスがやって来て、どっと活気づきます。一見の価値ありです。

バス趣味的に面白いところは、日中と土日の立神は、長崎バス田上方面、風頭山方面と、県営バス立山が通るだけのところを、朝夕は、市内各地からバスが立神へ直行するルートが登場する点です。これらのバスは各バス停にこそ止まるものの、通常は乗り継ぎが必要なところを直通で結ぶことで、乗り継ぎなしで各地から立神へ来られるようになっています。立神の手前のバス停にも工場はありますので、それらへの需要も兼ねています。
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写真の腕前の関係で全く方向幕が読めませんが、例えば、こちらは夕方の県営バス「女の都入口」行。女の都団地行と合わせて、平日夕方のみ4便走っています。日中の県営バスは、立神を出発したら国道202を道沿いに、稲佐橋を渡って宝町電停で新浦上街道にぶつかるのですが、この女の都行は、稲佐橋を渡らずに、ロープウェイ前を通ってそのまま北上するルートです。
ちなみに、この日はこのまま稲佐山に行きたかったので、これに乗って、ロープウェイ前で降りました。
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バス停の向かいはバス置き場があって、3~4台は駐車できるようになっています。立神止まりのバスに乗車すると、この駐車場でそのまま降車扱い。
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これは夕ラッシュの始まったばかりのまだ明るい時間帯に、立神バス停にやってくる県営バスを映したもの。左に停まるバスが、長崎駅方面へ向かうバス停に停車中の県営バス。画面真ん中の曲がろうとしているバスは立神止まりの県営バスで今まさに立神に到着しようとするところ。画面右のバスは待機中の長崎バスです。
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立神から道沿いを歩くと、乗船所がよく見えるスポットがあります。
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眼下を走るバスも見下ろせます。こちらは長崎バス。人気のキュービックでしょうか。車両に詳しくないので断定しかねますが。
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集落にある公園からは工場の大きなクレーンがはっきりと見えます。工場とともにある町の風景
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立神で感じる長崎は、また一味違っていました。
(このペイジの作成者 いし)

あけましておめでとうございます。いしです。

乗り撮り問わず、路線バス好きを惹きつけてやまない土地の1つが長崎市です。長崎市を走るバスは山あり、海あり、狭路ありで、車両も路線も多種多様。コンテンツの豊富さと、初見では把握困難な路線網の複雑さは、そうそう飽きが来るものではありません。加えて、市電も並行して走っているという充実度。

ここから下には、私の経験だけをもとにして、長崎のバスの攻略法のようなものを書きます。しかしながら、趣味の楽しみ方は十人十色ですので、あくまで、読者諸兄姉が長崎のバスを楽しむための一助になれば幸いです。
※長々と書いていますが、要するに、長崎のバスを乗りこなすには「地名を覚える」のが最短だというのが結論です。



【長崎へ行く前に】
①会社を把握する
長崎には、市電の他、長崎バス、長崎県営バスの2社が路線バスを走らせています。運行地区に違いはあるのですが、方角毎に分けが決まっているわけではなく、地区ごとにバラバラと異なっているので、法則立てて覚えることは困難です。なんとなく乗るうちに分かってきますので、2社あることだけ覚えておけば大丈夫です。
ちなみに、市街地から遠くに行くのは、大抵の場合、長崎バスです。

②路線図を見て、諦める
両社のHPに、路線図が乗っていますので、一応確認します。しかし、地図とは連動しておらず、会社によって路線図の方角は異なり、会社によっては系統すら書いていないので、土地勘の無い人が読み解くことはほぼ不可能です。加えて、長崎は路線番号が(一応はありますが)ほぼないに等しいです。路線を覚えるのは諦めましょう。

【長崎へ到着したら】
③ターミナルへ向かって路線図・時刻表を入手する
令和時代においてもHP上での公式情報の収集が困難なところが長崎の醍醐味です。しかしながら、現地には情報がありますので、長崎に到着したら、まず路線バスのターミナルへ向かうことをお勧めします。市街にあるターミナルは下記3つです。
・長崎ターミナル(県営バス)・・・長崎駅からすぐ
・ココウォーク茂里町(長崎バス)・・・市電の電停に近い。長崎駅と浦上駅の間あたり。
・長崎新地ターミナル(長崎バス)・・・市電の電停に近い。中華街の近く。

長崎バスは、系統ごとに色分けされて地図に記載された分かり易い路線図(HPに未掲載)と、冊子型の見やすい時刻表を無料で配っています。是非行って、入手すべきです。
一方、県営バスは時刻表を配っていませんし、路線図もHPに乗っているものとほぼ同じです。路線図を入手する価値は、路線図が大判なことくらいです。ただし、長崎ターミナルの建物が大変エモーショナルなので、訪れる価値はあります。観光スポットの1つとして訪れましょう。

④路線を理解する
さて、長崎バスと県営バスの路線図を持って長崎の市街地へ繰り出したなら、やるべきことはあと1つです。バスに乗るだけ。
しかし、前述のように、長崎のバスは分かりづらいのです。よって、下記のように「覚えて」攻略しましょう(私はそのようにしました)
(1)中心地のターミナルを覚える
・長崎のバスは、ココウォーク茂里町~長崎駅~新地中華街(or中央橋)の区間を”ほぼ必ず”通ります。この地名をまず覚えましょう。
(2)よく見る行先を覚える
長崎は山と海に挟まれた地形をしています。よって、土地とある程度の方角を覚えておくことで、突然やってきたバスも、行先表示板に書かれた地名を見ることによって、大体の方角が分かります。覚えてしまいましょう。

【乗る】
乗って、地名を覚えましょう。

要は、乗りながら、地図とにらめっこして地名を覚えるのが一番近道だと思います。バスには通る地名が複数個所書いてありますから、パッとバスに書かれた地名を見て行先が分かるようになるまで覚えるしかないという、、、恐ろしや長崎。


※おまけ「長崎のおすすめバス路線」
①立山行(県営バス2路線、長崎バス1路線):狭隘。景色良し。本数多め。長崎の路線バスのお手軽パックのような、気軽に乗れて楽しめる路線。
②飯香の浦行(長崎バス):狭隘。峠越え。景色良し。長崎に来たら絶対乗りたい路線の1つ。
③樺島行(長崎バス):景色良し。長崎市の南端にある樺島まで長崎半島の西岸をひたすらに南下する路線。
④相川行(長崎バス):狭隘。景色良し。本数多め。長崎の西側に位置する相川集落まで至る路線。終点間近の式見~手熊の間にあるバス車巾ぎりぎりのトンネルが有名。
⑤立神行(県営バス、長崎バス):景色良し。平日おすすめ。造船所のある立神集落まで行く路線。造船所への通勤のために、平日に限って朝晩は長崎各地から立神行のバスが運行される。結果として、立神という狭い集落に何台も大型バスが到着することになり、その風景は圧巻。

※おまけのおまけ「長崎半島の東側をバスで南下する」
風光明媚な長崎半島は、中心市街地の長崎市から半島の南端に位置する野母まで路線バスでアクセスすることが出来ます。本数が多く、乗り継ぎも不要でバス旅には持って来いなのですが、それは半島の西側の話。半島東側となると、様子は全く異なります。
半島の西側をバスで行ったなら、東側もバスに乗りたくなるのが宿命ですが、バス路線は細切れで、本数も少なく、しかも平日は運休する路線があって繋がらない。路線図はネットで入手できず、バス会社もばらばらと国内屈指の攻略難易度です。(個人的には、かの有名な会社さんが運行する大隅半島に匹敵すると思っています)
2020年11月に長崎に行った際には、長崎市街地から出発し、なんとかバスで半島の東側(天草灘側)を南下して野母崎まで行ったので、乗り継ぎを書き記します。ご参考程度にお使いください。
【その1:東側へ出る】
①飯香の浦線:長崎駅前南口7:26→飯香の浦8:08
長崎の市街から半島を横切って東側へ抜けるには、上述の飯香の浦線がおすすめです。路線があまりにも長崎バスの要素てんこ盛りで気分が盛り上がるからですが、その先の乗り継ぎが土休日は夕方一本になってしまうのでNGです。土休日はそもそもそのさらに先が繋がらなくなるので東側をバスで乗り通すことは出来ないのですが。
【その2:南下する】
②田上矢上線:宮の下8:30→茂木8:47
長崎半島の東側を、ひたすらに南下してくる田上矢上線に乗車します。ここがその1の難関で、平日は朝夕に各1本、土休日は夕方のみ1本なので、実質平日の朝にしか乗車チャンスはありません。夕方便だとこの先乗り継げなくなります。
よって、飯香の浦線も、上述した飯香の浦8:08着の始発に乗るほか無くなります。
ちなみに、田上矢上線は飯香の浦バス停を通りませんが、飯香の浦線1つ手前の宮の下バス停は通りますので、そこで乗り換えです。飯香の浦バス停から歩ける距離です。

③茂木線:茂木10:40→千々11:04
茂木で、長崎の中心地から田上を通って茂木、さらに南下して宮摺、千々と半島東側を南下する茂木線に乗り換えます。茂木で2時間の接続待ちがありますが、茂木線は茂木から先の本数が少ないだけで長崎の中心地から茂木までは本数が多いため、茂木で待たずとも、一度田上あたりまで②田上矢上線で市街地方向へ戻ってしまい、田上から③茂木線に乗るということも出来ます。少なくとも私は、茂木で暇なのもどうかと思い、そうしました。ただし、茂木は大きな漁師町でコンビニもありますので時間を潰せないことはないです。

④コミュニティバス三和線:千々11:45→為石12:01(orハピネスさんわ12:03)
最大の難関です。土日は走っておらず、平日のみ3本です。為石で次のバスに乗り継ぐのですが、接続が悪いため、さらに先のハピネスさんわまで乗ってしまい、歩いて数分の栄上バス停から長崎市街方面へ国道を戻ってしまって昼食を食べる余裕すらあります。私は土井首あたりの街道沿いチェーンで昼食を取りました。

⑤川原線:(土井の首13:49、栄上14:00)為石14:02→岬木場14:18
長崎バス川原線で岬木場まで南下します。一気に、岬木場へ。ちなみに、岬木場行は後述の岬木場線の方が本数が多いのですがそちらは半島西側周りですので、注意。岬木場へは「川原線」で向かいます。

【長崎市街地へ帰る】
⑥野母崎・樺島・岬木場線:岬木場16:59→新地ターミナル18:42
岬木場で約3時間待てば、そのまま野母を経由して中心地へ半島の西側周りで帰るバスがやって来ます。しかしながら、岬木場はぼっとん式簡易便所以外本当に何もないので、3時間を待つのはバス乗り継ぎ旅の猛者でない限りおすすめできません。
ここは、⑤川原線で岬木場14:18着でやってきた後、すぐに岬木場14:35発の「コミュニティバス野母崎線」で長崎半島を西側へ渡って、野母崎を先に訪れてしまうのがおすすめです。野母には15:00着ですので、野母16:14発→岬木場16:36着の岬木場線に乗り継げます。
すると、この岬木場線が折返し⑥岬木場16:59→新地ターミナル18:42のバスになるので、長崎半島東側南下のバス旅を達成できます。

物好きな方は、ぜひどうぞ。

(このペイジの作成者 いし)

久しぶりの更新となりました。いしです。
あいにくの秋雨でしたが、仙台にて乗りバスを少々。
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すでにご存じの方がほとんどかと思いますが、東北一の大都市仙台には大きく2つのバス会社(宮城交通と仙台市交通局)がありまして、今回は市バスに乗車。
市バスの路線に山奥へ行く興味深い路線を見つけられたことと、鉄道とバス(宮城交通は一部路線だけ乗車可能な一方で、市バスは全線乗車可能)が乗り放題となる「仙台まるごとフリーパス」を偶然にも見つけたのがきっかけです。

※余談ですが、仙台まるごとフリーパスは、2020年度の期間限定で、電子パス版も販売されています。このところ交通事業者がこぞってトライアルしているMaaS施策の一環です。

他の都市にも言えることですが、市内を縦横無尽に何台もバスが駆け抜けながら、そこから1時間もしないところに山間部を走るローカル路線が存在するのが仙台の魅力の1つ。今回は、市バスが誇るローカル路線のうちの1つ「秋保・二口線」に乗車しました。

「秋保・二口線」は、上記写真に写ったバスの系統番号が2桁なことからもわかるように仙台駅からは出ておらず、仙山線の愛子駅から出発し、国道457号を通って、仙台市の西方に位置する太白区秋保町へ至る路線です。秋保町は西に長く、山形県との県境まで街道が繋がっており、バスは宮城県側最後の集落である「二口」まで走っています。
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乗車は仙山線の愛子駅から。
駅の改札を出てすぐの乗り場から、二口線は出発します。時刻表を確認したら、バスは7本/日(系統83, 85, 87番)しかありません。そのうえ、ほとんどが秋保町の「上ノ原」か「野尻町北」止。さらに終点の二口まで行くバスは、平日は0本、土曜は2本、日曜は1本という少なさです。されど、秋保町のほとんどの民家は「野尻町北」までに存在するのですから、それで十分なのでしょう。

バスは愛子駅を出ると、駅の南にある新興住宅地「錦ヶ丘」へ入り、ぐるっと域内を周りながら、住宅地の乗客を降ろしていきます。秋保・二口線は長距離路線なのですが、このような単距離需要も兼ねているのですね。とはいっても本数が少ないので、錦ヶ丘の方々は市バスよりも頻繁に走っている愛子観光バスの路線を良く使うのだとは思います。

錦ヶ丘を出るとバスは国道を南下し、秋保町へ向かいます。地名がたくさん出てきましたので、この辺で地図をご確認頂ければと思います。

南下して山を越えたところで、秋保温泉に到着。バス停名では「磊々峡」「秋保・里センター」「湯向」あたり。バスはここから方向を変え、県道を西へ向かいます。

秋保温泉は奥州三名湯の1つで、仙台からもほど近い有名な温泉街。車で訪れる方も多いですが、路線バスは今乗ってきた市バスよりも、仙台市街地から名取川沿いの笹谷街道を西進してくる宮城交通の方が本数は多いです(1, 2時間に1本程度)。上述の「仙台まるごとパス」も使えて便利ですから、路線バスでしたらこちらで来るのが一般的でしょう。ちなみに、秋保温泉経由で川崎町へ向かうタケヤ交通も秋保温泉を経由します。

さて、秋保温泉の温泉街を通過した市バス秋保・二口線は、ここから宮城交通の路線バスと同じ経路を通ることになり、県道62号線を秋保町内へ向かって西進します。そうは言いながらも、宮城交通は温泉街にある「秋保森林スポーツ公園」止がほとんどで、この先に向かうバスは土日のみ数本です。

この日は終点の二口まで向かう市バスに乗りましたが、温泉を過ぎてもまだ乗客は一定数が車内に残っていました。本数は少ないながら、地元住民の需要が垣間見えます。

神ヶ根温泉、鴻の巣温泉といくつかの温泉を越えて秋保郵便局まで差し掛かった辺りが秋保町の中心でしょうか。車内に残っていた乗客も、このあたりのバス停で1つ、また1つと降車していきます。
バスの右手に大きな神社が見えたころ、体感ではかなりの距離を乗ったような気がしてきましたが、路線はまだ中盤で、バスはまださらに奥へ分け入ります。
もう少し街を走り、馬場を過ぎて、上ノ原。この辺りはもうだいぶ秋保町の端の方で、バスの乗客も地元民はゼロに。土日の市バスは7本中のほとんど(5, 6本)がこの上ノ原までです。

上ノ原を過ぎると、いよいよ車窓は山深くなってきました。もっと前から山深くはあったのですが、この辺りになると山が迫ってきている感覚になります。ほどなくして、秋保大滝バス停。宮城交通のバスが折返し場に停まっているのが見えました。観光スポットはここまでで、この先に行く人は、地元民かキャンパーか、バス好きの3択でしょう。


もったいぶりましたが、バス好きにとってのメインディッシュはこの先にありました。秋保大滝を過ぎて、ほとんどのバスが折り返す野尻町北を過ぎてすぐ、すなわち平日はバスが走らない区間に入ってすぐ、バスは狭隘区間に差し掛かります。
※バス後部座席に着席していたため、写真は撮れず

野尻町北~昼野の間に、バス車巾目一杯の狭隘区間が現れます。バス左手は窓ぎりぎりにコンクリートで固められた崖ののり面が、右手には名取川の渓谷がバスのすぐ下を流れます。あまりにも狭い区間であるため、区間の入口には信号が設けられているほど。狭い上にくねくね道ですから、万が一対向車と出会ったら難儀することは必須。ここ、バス好きなら乗車して後悔なしです。

ハイライトの狭隘区間は長くは続かず、興奮冷めやらぬうちにバスは「二口」に到着。
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バスは折返し場で数十分待機して、折り返します。これに乗らないと大変なことになります。
少し折返し時間があってバス好きには嬉しいところ。伝わらないと思いますが、新潟交通佐渡の宿根木線みたいです。ここ二口には、ビジターセンターがあるので公衆トイレもあり、時間は意外とつぶせます。
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二口の先は林道で、ほとんど何もありません。仙山線が出来るまでは、この二口街道は山形への県境越えのルートだったようですが、それも今は昔。

最後に、せっかくなので二口バス停を撮影。
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土日しかないバス時刻表。愛子から二口までは970円です。
このバス停もそうですが、市バスのバス停や車内には営業係数(100円稼ぐためにかかる費用)が書いてありまして、秋保・二口線はワースト8位の営業係数404。今後が危ぶまれる路線の1つです。全路線の営業係数はこちら

余談ですが、ワースト1位は八ツ森線で営業係数1,490。JR北海道もびっくりの数値です。本当は八ツ森線も乗りたかったのですが、平日のみ運行なので断念。早く乗りに行かないと。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
20200531_赤岩渡船全体
前記事の赤岩渡船へは、熊谷からバスでアクセスする必要がありますが、その時使うのが国際十王交通の熊谷駅~葛和田線です。
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熊谷駅東口の三番乗り場から乗車します。熊谷駅発着のバスは、西口方面行でも東口から発車が多いですね。葛和田は熊谷駅東口の方向なので、違和感はありませんが。
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バス車両に造詣が深いわけではないので、車内の写真を1枚張るだけにします。
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新しい車内だなと思っていたのですが、どうやら2018年頃に導入された新車のようですね。

葛和田行のバスは、熊谷駅を毎時00分発で1本/時間という大変分かり易いダイヤです。本数は同じ国際十王交通の犬塚行と同じ頻度ですね。葛和田行は、夜のラッシュ時間帯は上中条まで行く区間便も出て、都合30分に一本となります。

この日は土曜日の午前でしたが、地元の方も途中の上中条あたりまで何人か利用されていました。

ところで、国際十王交通。朝日バスグループの中では最も見やすい公式HPを持っていて、個人的にはなぜ他の朝日バスグループは国際十王交通を踏襲しないのかと疑問に思っていたのですが、2020年になってようやく、各社のHPが国際十王交通並みの見やすいHPになりましたね。朝日バスグループに限らず、ここ10年ほどで全国のバス会社のHPは相当見やすくなり、情報も多くなってきたように感じます。

葛和田行と全然関係ないことばかり書いてしまったので、最後に、葛和田の画像で終わりにします。

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葛和田のバス停は、集落とは関係ない、堤防を越えた河原にあります。渡船連絡を意識してのことでしょうか。これはこれで味のある光景です。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。

2019年夏、群馬県上野村へ路線バスで行ってきました。

群馬県上野村へのアクセスは、JR高崎線の新町駅から発車する、日本中央バス奥多野線を利用することになります。

奥多野線は高崎市新町から、藤岡市、旧鬼石町、神流町(旧万場町、旧中里村)を経由して上野村に至る、約2時間30分も走り続ける(しかも車両はポンチョサイズの小型バス)ストイックな路線バスです。区間便を除いて7便/日、区間便を入れて11便/日と本数も多く、1日乗車券も存在して、ローカル路線バスの旅にうってつけ。
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高崎線を新町で下車。
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駅前ロータリーに、居ました。日本中央バスです。都心では群馬行の高速バスをよく見かけますが、一般路線バス車はここまで来ないと見られません。
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新町駅前のバス時刻表をチェック。年季が入っています。上野村へは看板左側の鬼石行・上野行を使います。平日と土休日でダイヤが異なるので要チェック。

一日乗車券は車内でも販売しています。まずは新町駅から朝の区間便(鬼石行)で鬼石へ。バスは途中、八高線の群馬藤岡駅を経由して、鬼石へ向かいます。
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鬼石着。
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奥多野線は、写真の通り、日野のポンチョサイズの小さな車両。これで山道を2時間半も上野村まで行くのだから乗り通すのにも覚悟が必要。酔い止め、飲んでおいた方が無難。
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鬼石郵便局バス停は、待合所もあります。
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鬼石の中心地は、すぐそばに川が流れており、対岸は埼玉県の神川町。ゆえに、本庄から上里を経由して神川町へ至る埼玉県内の朝日バスが一瞬だけ、この鬼石へやってきます。公式には案内されていませんが、乗り換えが可能。
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噂の、朝日バス。群馬県でみられるとは、なんとも不思議な場所です。
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後ろには、埼玉県神川町の町営バスも。町営バスが他都道府県へ乗り入れるのは大変珍しいのでは。

この後、鬼石を少し散策して、再び日本中央バスへ乗車。新町駅から鬼石郵便局までは約40分の道のりでしたが、ここからバスはいよいよ山道へ分け入ります。下久保ダムを車窓左手に見下ろしながら、うねる山道をさらに50分(新町からは90分)進むと、神流町の中心地、旧万場町に到着です。
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万場バス停では、ほとんどのバスが10分ほど時間調整します。この日は、万場あたりで昼休憩にしました。
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さて、万場にある八幡神社から乗りバスを再開。ここから30分かけて上野村へ向かいます。バスはこれまで走ってきた国道462をひたすら西進。途中、神流町が終わるところで、埼玉から来た関東屈指の国道299と合流し、道は299となって、上野村へ向かいます。
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上野村では、役場前で下車しました。こちらは乙母という集落。上野村は集落が分散していましたので、数km隣にある乙父集落まで歩いて移動しました。

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。

2019年夏、静岡県が誇る長距離路線バス、安倍線に乗車しました。

安倍線は、静岡市内の安倍川沿いを真っ直ぐ北上していく幾つかの路線の総称。そのうち、今回は最も北にある梅ヶ島温泉へ向かう路線バスへ乗車しました。
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始発は、新静岡バスターミナルから。
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5番バス停より発車です。
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しれっと書いてありますが、安倍線は、4-5本/時間ある便の内のほとんどが免許センター止まり。その先へ向かう便は1-2本/時間程度で、その先で行先が枝分かれしたり、途中のバス停で折り返したりしますので、終点の梅ヶ島温泉行は5本/日程度しかありません。

免許センターまでは、新静岡から約30分。その先、分岐点にある六番バス停まではさらに20分。梅ヶ島温泉は六番から進むことさらに1時間かかります。すなわち、静岡→梅ヶ島温泉のバスは、約2時間かけて狭隘な山道を登り切り、しかも路線はすべて静岡市内を走っているという、マニアックなポイントが盛り沢山の路線です。

ちなみに、六番バス停から分岐して県道27号線を横沢バス停まで向かう安倍線は、終点の横沢から、井川ダムの先の集落、井川まで行く路線バスに横沢で接続しています。静岡から井川までバスを乗り継いで行けるそちらの方が、鉄道マニアやバスマニアには有名かもしれません。

車内から道の様子が上手く撮れなかったので写真はありませんが(参考:バス路線図)、バスは最初、静岡市街地をこまめに停車しながら降車客を扱い、免許センター近くまで行くとバス車内はほとんど乗客が居なくなりました。前述の通り、免許センターより先はバスの本数が1時間に2本程度になります。

免許センターから先は、バスは4方向に分かれます。麻機方面、横沢・上落合方面、有東木方面、梅ヶ島温泉方面です。まず、免許センターからすぐに麻機行が分岐(1日3本)します。その先、折返し場のある油山(新静岡から40分)までの区間便も2時間に1本程度存在します。油山から先はさらに本数が減って、安倍線で最も重要な分岐点が「六番」バス停。ここで、県道27号を井川方面に向かうのが横沢行、上落合行(各4本/日)。「六番」から先は12本/日まで減ります。

「六番」を過ぎてバスはさらに安部川沿いを北上します。「六番」の隣の相渕バス停も、相渕止まりの区間便(6本/日)が折り返すところ。相渕で本数はさらに半減します。

相渕より先、バスは集落の真ん中を通る狭い旧道を通り、さらに、県道自体も狭くなり、車窓両側に山肌を眺めながら登坂していきます。

平日の朝晩だけ区間便のある下度を通り過ぎると、バスは渡本(どもと)バス停を通過します。渡本からは有東木行のバスが分岐します。有東木は山梨との県境の地蔵峠へ向かう行き止まりの集落。面白いことに、平日は有東木~相渕・六番の区間便が走り、5本/日が維持されています。末端だけの区間便はなかなか見ないので面白いです。 

渡本を過ぎると、バスはいよいよ梅ヶ島温泉行だけ。日に5本が終点まで向かいます。
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こちら、終点の梅ヶ島温泉バス停。
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バス停といっても、細い道にバス停があるだけ。
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よって、バスはバス停の先にある転回場で、折返し時間まで待機します。
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ちなみに、この県道29号線、ここが行き止まりです。この先、林道が安倍峠を経由して山梨県身延町まで通じています。
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延々と文字で説明して来ましたが、地図に落とされた安倍線の路線を見ると、その長さが一目瞭然です。新静岡が画面右端で、左の上が梅ヶ島温泉と有東木。左下が横沢と上落合。左の末端部分は、どこも地図に入り切ってないですね。
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帰りも当然、しずてつバス。
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六番を過ぎてから梅ヶ島まで、県道29号線はずっとこの調子の狭路。
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集落の道もこの狭さ。運転に気を使います。おそらくこの辺りは渡本あたりかと(記憶が曖昧ですみません)。

安倍線、横沢乗り換え井川も含めて、もう一度乗ってみたい路線です。

(このペイジの作成者 いし)

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