あけましておめでとうございます。いしです。

乗り撮り問わず、路線バス好きを惹きつけてやまない土地の1つが長崎市です。長崎市を走るバスは山あり、海あり、狭路ありで、車両も路線も多種多様。コンテンツの豊富さと、初見では把握困難な路線網の複雑さは、そうそう飽きが来るものではありません。加えて、市電も並行して走っているという充実度。

ここから下には、私の経験だけをもとにして、長崎のバスの攻略法のようなものを書きます。しかしながら、趣味の楽しみ方は十人十色ですので、あくまで、読者諸兄姉が長崎のバスを楽しむための一助になれば幸いです。
※長々と書いていますが、要するに、長崎のバスを乗りこなすには「地名を覚える」のが最短だというのが結論です。



【長崎へ行く前に】
①会社を把握する
長崎には、市電の他、長崎バス、長崎県営バスの2社が路線バスを走らせています。運行地区に違いはあるのですが、方角毎に分けが決まっているわけではなく、地区ごとにバラバラと異なっているので、法則立てて覚えることは困難です。なんとなく乗るうちに分かってきますので、2社あることだけ覚えておけば大丈夫です。
ちなみに、市街地から遠くに行くのは、大抵の場合、長崎バスです。

②路線図を見て、諦める
両社のHPに、路線図が乗っていますので、一応確認します。しかし、地図とは連動しておらず、会社によって路線図の方角は異なり、会社によっては系統すら書いていないので、土地勘の無い人が読み解くことはほぼ不可能です。加えて、長崎は路線番号が(一応はありますが)ほぼないに等しいです。路線を覚えるのは諦めましょう。

【長崎へ到着したら】
③ターミナルへ向かって路線図・時刻表を入手する
令和時代においてもHP上での公式情報の収集が困難なところが長崎の醍醐味です。しかしながら、現地には情報がありますので、長崎に到着したら、まず路線バスのターミナルへ向かうことをお勧めします。市街にあるターミナルは下記3つです。
・長崎ターミナル(県営バス)・・・長崎駅からすぐ
・ココウォーク茂里町(長崎バス)・・・市電の電停に近い。長崎駅と浦上駅の間あたり。
・長崎新地ターミナル(長崎バス)・・・市電の電停に近い。中華街の近く。

長崎バスは、系統ごとに色分けされて地図に記載された分かり易い路線図(HPに未掲載)と、冊子型の見やすい時刻表を無料で配っています。是非行って、入手すべきです。
一方、県営バスは時刻表を配っていませんし、路線図もHPに乗っているものとほぼ同じです。路線図を入手する価値は、路線図が大判なことくらいです。ただし、長崎ターミナルの建物が大変エモーショナルなので、訪れる価値はあります。観光スポットの1つとして訪れましょう。

④路線を理解する
さて、長崎バスと県営バスの路線図を持って長崎の市街地へ繰り出したなら、やるべきことはあと1つです。バスに乗るだけ。
しかし、前述のように、長崎のバスは分かりづらいのです。よって、下記のように「覚えて」攻略しましょう(私はそのようにしました)
(1)中心地のターミナルを覚える
・長崎のバスは、ココウォーク茂里町~長崎駅~新地中華街(or中央橋)の区間を”ほぼ必ず”通ります。この地名をまず覚えましょう。
(2)よく見る行先を覚える
長崎は山と海に挟まれた地形をしています。よって、土地とある程度の方角を覚えておくことで、突然やってきたバスも、行先表示板に書かれた地名を見ることによって、大体の方角が分かります。覚えてしまいましょう。

【乗る】
乗って、地名を覚えましょう。

要は、乗りながら、地図とにらめっこして地名を覚えるのが一番近道だと思います。バスには通る地名が複数個所書いてありますから、パッとバスに書かれた地名を見て行先が分かるようになるまで覚えるしかないという、、、恐ろしや長崎。


※おまけ「長崎のおすすめバス路線」
①立山行(県営バス2路線、長崎バス1路線):狭隘。景色良し。本数多め。長崎の路線バスのお手軽パックのような、気軽に乗れて楽しめる路線。
②飯香の浦行(長崎バス):狭隘。峠越え。景色良し。長崎に来たら絶対乗りたい路線の1つ。
③樺島行(長崎バス):景色良し。長崎市の南端にある樺島まで長崎半島の西岸をひたすらに南下する路線。
④相川行(長崎バス):狭隘。景色良し。本数多め。長崎の西側に位置する相川集落まで至る路線。終点間近の式見~手熊の間にあるバス車巾ぎりぎりのトンネルが有名。
⑤立神行(県営バス、長崎バス):景色良し。平日おすすめ。造船所のある立神集落まで行く路線。造船所への通勤のために、平日に限って朝晩は長崎各地から立神行のバスが運行される。結果として、立神という狭い集落に何台も大型バスが到着することになり、その風景は圧巻。

※おまけのおまけ「長崎半島の東側をバスで南下する」
風光明媚な長崎半島は、中心市街地の長崎市から半島の南端に位置する野母まで路線バスでアクセスすることが出来ます。本数が多く、乗り継ぎも不要でバス旅には持って来いなのですが、それは半島の西側の話。半島東側となると、様子は全く異なります。
半島の西側をバスで行ったなら、東側もバスに乗りたくなるのが宿命ですが、バス路線は細切れで、本数も少なく、しかも平日は運休する路線があって繋がらない。路線図はネットで入手できず、バス会社もばらばらと国内屈指の攻略難易度です。(個人的には、かの有名な会社さんが運行する大隅半島に匹敵すると思っています)
2020年11月に長崎に行った際には、長崎市街地から出発し、なんとかバスで半島の東側(天草灘側)を南下して野母崎まで行ったので、乗り継ぎを書き記します。ご参考程度にお使いください。
【その1:東側へ出る】
①飯香の浦線:長崎駅前南口7:26→飯香の浦8:08
長崎の市街から半島を横切って東側へ抜けるには、上述の飯香の浦線がおすすめです。路線があまりにも長崎バスの要素てんこ盛りで気分が盛り上がるからですが、その先の乗り継ぎが土休日は夕方一本になってしまうのでNGです。土休日はそもそもそのさらに先が繋がらなくなるので東側をバスで乗り通すことは出来ないのですが。
【その2:南下する】
②田上矢上線:宮の下8:30→茂木8:47
長崎半島の東側を、ひたすらに南下してくる田上矢上線に乗車します。ここがその1の難関で、平日は朝夕に各1本、土休日は夕方のみ1本なので、実質平日の朝にしか乗車チャンスはありません。夕方便だとこの先乗り継げなくなります。
よって、飯香の浦線も、上述した飯香の浦8:08着の始発に乗るほか無くなります。
ちなみに、田上矢上線は飯香の浦バス停を通りませんが、飯香の浦線1つ手前の宮の下バス停は通りますので、そこで乗り換えです。飯香の浦バス停から歩ける距離です。

③茂木線:茂木10:40→千々11:04
茂木で、長崎の中心地から田上を通って茂木、さらに南下して宮摺、千々と半島東側を南下する茂木線に乗り換えます。茂木で2時間の接続待ちがありますが、茂木線は茂木から先の本数が少ないだけで長崎の中心地から茂木までは本数が多いため、茂木で待たずとも、一度田上あたりまで②田上矢上線で市街地方向へ戻ってしまい、田上から③茂木線に乗るということも出来ます。少なくとも私は、茂木で暇なのもどうかと思い、そうしました。ただし、茂木は大きな漁師町でコンビニもありますので時間を潰せないことはないです。

④コミュニティバス三和線:千々11:45→為石12:01(orハピネスさんわ12:03)
最大の難関です。土日は走っておらず、平日のみ3本です。為石で次のバスに乗り継ぐのですが、接続が悪いため、さらに先のハピネスさんわまで乗ってしまい、歩いて数分の栄上バス停から長崎市街方面へ国道を戻ってしまって昼食を食べる余裕すらあります。私は土井首あたりの街道沿いチェーンで昼食を取りました。

⑤川原線:(土井の首13:49、栄上14:00)為石14:02→岬木場14:18
長崎バス川原線で岬木場まで南下します。一気に、岬木場へ。ちなみに、岬木場行は後述の岬木場線の方が本数が多いのですがそちらは半島西側周りですので、注意。岬木場へは「川原線」で向かいます。

【長崎市街地へ帰る】
⑥野母崎・樺島・岬木場線:岬木場16:59→新地ターミナル18:42
岬木場で約3時間待てば、そのまま野母を経由して中心地へ半島の西側周りで帰るバスがやって来ます。しかしながら、岬木場はぼっとん式簡易便所以外本当に何もないので、3時間を待つのはバス乗り継ぎ旅の猛者でない限りおすすめできません。
ここは、⑤川原線で岬木場14:18着でやってきた後、すぐに岬木場14:35発の「コミュニティバス野母崎線」で長崎半島を西側へ渡って、野母崎を先に訪れてしまうのがおすすめです。野母には15:00着ですので、野母16:14発→岬木場16:36着の岬木場線に乗り継げます。
すると、この岬木場線が折返し⑥岬木場16:59→新地ターミナル18:42のバスになるので、長崎半島東側南下のバス旅を達成できます。

物好きな方は、ぜひどうぞ。

(このペイジの作成者 いし)