旅に、出た。

バス乗ったり、島行ったり。マニア2人の共同旅ブログ

乗り物好き若手リーマン2人、それぞれの旅行記録

カテゴリ:バス > 中国・四国

こんにちは てらです。
以前、山陽新幹線に乗車していた時に、福山や徳山って県庁所在地でもないのになんで新幹線が止まるんだろう…と思ったりしていたのだが、福山城から福山市を見るとその答えがなんとなくわかった気がした。市域の広さもそうだが、鉄鋼や造船の企業城下町でありながら、東西に長い広島県の東の都市圏を形成しているのである。
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あいにくの天気であったが、福山駅のすぐ北側の福山城から福山の街並みを望む。福山は交通の要塞になっており、因島、四国方面への高速バスのほか、南部、西部は鞆鉄道バス、東部は井笠バスカンパニー、北部は中国バスが路線網を築いている。
とくに中国バスの持つ路線網は福山市や三原市を中心に北に延びる広大なものである。
そのなかに、神石高原町を経由して庄原市の東城まで抜ける路線が、今回紹介する油木・東城線だ。
以前は福山と東城を結ぶ路線は2路線あり、高蓋、呉が峠、神竜湖を経由する西回り線もあったが、現在は廃止となっている。
西回り線に乗られている方のブログやウェブサイトを拝見しているとなかなかの狭隘路線だったようだが、中国バスの自主再建のなかで大幅にバス路線は整理、減便されて西回り線も2016年に廃止となってしまったようだ。
この路線の状況もなかなか厳しく、日のあるうちに乗車しようと思うと平日でなければ楽しめない。
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福山市内は東西に何本か大きな幹線道路があり、山陽本線に並行するように何本かバス路線がある。油木・東城線も一旦福山駅を出ると、進路を東に取りその後、国道182号線と共に長旅を共にする。
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市内は細かな乗降があったが、神辺の町を越え福塩線の線路を北へ越えると一気に山越えの様相を呈す。
ぐんぐん山不覚に入っていき、写真左下に福山市街を少し見ることができた。
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こんな路線を中型で走ることになかなかびっくりだが、福山市内の利用と神石高原町内の利用がそれなりにあるようだ。
車内も我々以外に数人が利用しており日常的に通過利用があることがわかる。
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神石高原町の油木営業所に到着。トイレ休憩もあるため一旦バスを降ろされる。
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営業所と車庫を兼ねている。我々が乗っていたバスは真ん中のバス。
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バスの車庫に付設された乗務員の詰め所を間借りするように定期券窓口とトイレがある簡素な営業所。
奇しくも2023年から窓口の営業を取りやめてしまった。学校の下校時間と重なっているためか学生の姿が目立った。
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我々が乗ってきた道を戻る福山行きのバス。学生で満員だった。
15分ほどの小休止を終え、下校する学生十数名と共に東城行きのバスは発車した。
成羽川に沿って走る182号線を辿るようにバスは走り、20分ほどで中国道の東城IC付近で街が開けて東城市街についた。
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油木まで80分、東城までは乗り継ぎ時間を含めれば約2時間のバス旅。なかなかに乗りごたえがあった。

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路線バス好きにはあまりにも有名な狭隘路線の1つが、井笠バスカンパニーの運行する笠岡福山線です。
山陽本線や新幹線停車駅を結ぶ路線とあって、路線バス乗り潰し界隈的には大変好アクセスですが、ここ数年の間に土日の運行が取り止めとなってしまい、平日しか乗れない難易度の高い路線に。(もっともこの路線に限った現象ではなく、むしろ走ってくれているだけ大変ありがたいのですが)

2020年6月改正ダイヤ(平日のみ運行)
笠岡駅発8:10 11:25 15:10 16:10
福山駅発9:35 11:10 16:50 17:30
※所要約58分。便により若干の差あり
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さてこの日は笠岡11:25の福山行に乗車し、出発してほどなく狭隘区間へ。
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この路線は笠岡市と福山市にまたがり(というか岡山県と広島県にまたがるわけですが)、狭隘路は笠岡市側がメインで、ハイライトは笠岡駅に近いところにある集落内のクランク。

運転手さん曰く、ハイライトが左側に座った乗客席から見やすいのは福山→笠岡の方向の便とのことで、バスマニアは大体、笠岡行に乗るんだとか。確かに家に迫ってる感があって、狭隘区間が終盤に来るのはマニア的には盛り上がる気もするので納得です。
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福山に入ると広い道が多くなります。
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と言っても十分狭い道もあります。
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写真には収めませんでしたが、福山市内の片側2車線道路をグングン走るところも、郊外を走る路線バスといった感じで個人的には推しです。

次はぜひ福山→笠岡の方向で再訪したい路線です。

(このペイジの作成者 いし)

こんにちは てらです。
この記事は沼南線の続きです。

沼南線を沼隈支所で下車し、10分程度の接続で内海農協前行きのバスが来た。内海農協前は福山市の南部に浮かぶ横島に位置する。
折り返し時間を利用してちょっと横島を散策。

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向かい側の島が田島
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遊漁船がいくつも停泊している。
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12時台は松永からのバスと福山からのバスが短時間でやってくる。睦橋を渡って福山からのバスがやってきた。
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内海農協前バス停は農協の傍の転回場がそのままバス停になっている。
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折り返し福山行きに乗車。百島や常石の乗船場を見ながらバスは海岸沿いを走る。
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田島、横島はもともと内海町という自治体であったが平成の大合併の際に福山市に併合された。
平成初期に本州側と架橋されたものの、旧内海町にあたる田島、横島の人口減少は進んでいるようだ。
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折角なのでバスを降りて小一時間歩くことにした。
田島と本州側をつなぐ内海大橋。大きなカーブを描いているが、中央部に岩礁があり、陸地と岩礁を最短距離で結んでいるため逆「く」の字になっているようだ。
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歩いて渡ることもできるがなかなかに足がすくむ…。
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内海大橋を歩いて渡っている途中、一隻のタグボートが我々の真下を潜り抜けていった。

(このページの作成者 てら)

こんにちは てらです。
福山から鞆鉄バスで鞆と仙酔島を観光した後、乗車したのはこちら、沼南線の松永駅行き。
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乗車したのはわたしといしの二名のみ。
小型バスなのがちょっと残念…と思っていたのだが
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いやいやいや軽自動車がすれ違うのもしんどいような道をバスが…。という驚きである。鞆の浦西部の古い町並みを縫うようにしてバスは走る。
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この箇所、角に「離合箇所」と書かれた立札があった。当然軽自動車とはすれ違えないので軽自動車はあそこで待ってくれる。
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時折きゅっと狭まる箇所があり
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このような箇所はバスが通るのも精一杯である。
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新道ではなく古い住宅地を縫うように走るため、県道が2車線のバイパスのような道路があるにもかかわらずバスの離合もやっとな箇所を引き続き走る。
阿伏兎(あぶと)山のトンネルを抜けるとバスは道路状況もいいため快調に走る。左手には田島を望みながら沼隈に向けて走る。
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沼隈付近は、平成の大合併で沼隈町だったところが福山市に編入された場所であるため、市役所の支所や銀行といった公的機関や商業施設が数多く集積している。
鞆鉄バスの営業所もあり、沼隈を経由して福山駅へ直行するバス便(新川線)も多く出ている。
今回、我々は田島、横島へ向かうため沼隈支所バス停で途中下車した。

(このページの作成者 てら)

こんにちは てらです。
いしくんと中国バスで油木・東城線を乗りましたが翌日は同じ福山から出る鞆鉄道バスに乗りました。
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もともとは軽便鉄道として開業した福山~鞆間 1954年に廃止されたあとはおおむねそのあとを辿るようにバスが走っている。
データイムもおおむね30分に1本運転されており、40万都市を感じさせる運転本数だ。
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このような古いボンネットバスに乗って鞆の浦を回るツアーも開催されているようだ(別日に撮影)冷房はないようだが海風を感じながら古いバスに乗るのもありかもしれない。鞆の浦の観光中にも走っているところを見かけたが結構軽快に走っていた。

福山市街を抜け、芦田川にかかる草戸大橋を渡る。
水呑(みのみ)など、軽便鉄道時代の駅と同じ名前のバス停を走る。大きな県道からすっと横道にそれるのであれっと思ったのだが、どうやら軽便鉄道のルートをなぞるように走っているようだ。
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20分ほど走ると、瀬戸内の湾内が車窓の左手に広がる。
バスの窓枠でわかりにくいが右手一番手前に見えるのは仙酔島であり、奥の方に見えるのは笠岡市の北木島や白石島である。
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鞆バスセンターで下車。観光需要に加え区間利用もほどほど見られた。
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バスに乗っている間はどんよりと曇っていたが街歩きをするにつれ、天気は回復。そのまま折り返し同じルートを巡るのはもったいないので松永駅に抜ける沼南線にお世話になった。

(このページの作成者 てら)

どうも、てらです。
12月が多忙ということもあり、新年のあいさつが遅くなりました。

先日…といってももう2021年の10月のことだが、倉敷と香川県の西讃をいしと回りました。
倉敷というと、いしのゆかりの場所であり私が書くのは他人の家に土足で上がり込むような気分が若干あるが、一趣味人として書くとする。
下津井電鉄バスは岡山駅から児島駅、倉敷駅から児島駅を中心として路線バスをいくつか運行している。

倉敷駅の南口は両備バスと下電バスの一大ターミナルとなっており、自由通路には路線図が掲出されている。
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岡山方面のバスのほか、宇野方面の両備バスに接続をとる便もあり、倉敷南部を中心に広く路線網を有している。
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主要な行先はおおむね1時間に1本あり車社会ながらも本数が多い。
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この日は競艇場への送迎バスも運行されており、ひっきりなしにバスが出入りしていた。
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バスは私といしを含めて5,6人ほどが乗り込み発車。
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バスに乗ると倉敷の美観地区をぐるりと回るようにバスは走る。そのためか市街地相互間のバス停での乗り降りも見られた。
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信用金庫のシャッターに「源平合戦ゆかりの地」と書かれており、源平合戦の後期、瀬戸内海に向けて平氏が敗走していく藤戸の戦いがあったところとされる。
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天城中学高校南入口でバスを降りると、盛綱橋には佐々木盛綱の像が橋の中腹に鎮座していた_MG_1460
盛綱橋を渡り東へ歩くと、こちらも藤戸の戦いのゆかりの場所である経ヶ島がある。このあたりは倉敷駅と茶屋町駅から車で20分ほどのところなのでかなり内陸部であるが、当時は瀬戸内の小さな島々が点在するところで、江戸時代になって大規模な干拓が行われたそうだ。
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天城中学高校南入口に戻り、藤戸寺へ。
藤戸寺は行基により創建されたお寺で、源平合戦後に先に紹介した佐々木盛綱は寺社の修復と戦没者の法要を行ったと言われている。
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有名なたい焼き屋「鯛よし」さんにてたい焼きをいただいた。なかなかの有名店とあり、次から次へとたい焼きを焼いているものの、
一度にたくさん買われる人も珍しくなく、なかなか列がはけない。
たい焼きをいただいている間に乗る予定のバスが通り過ぎてしまったが、きちっと予定を決めない旅行もまた一興かもしれない。


児島からはレンタサイクルを貸し切り下電の廃線跡を巡りました。

(このページの作成者 てら)

こんにちは てらです。
県境を越える路線バスのなかでも、瀬戸大橋を渡る路線バスがある。
岡山県倉敷市と香川県坂出市を結ぶバス路線である。以前は岡山県側の事業者、下津井電鉄バスが児島~与島間の運行を行い、与島から南側を香川県側の事業者である琴参バスが運行を担っていたが、2021年4月より下津井電鉄バスが撤退したことにより、琴参バスが通しで運行を行っている。琴参バスは坂出市や丸亀市を中心に路線バスを運行している会社で、県境を越えるバス路線を4月から運行しているということになる。
そんなバス路線に児島駅から乗ってみた。土曜日なので最終便が運休。16時台が最終のバスとなる。
時間に余裕があったので倉敷市のJR児島駅にほど近いところにある児島港に、瀬戸大橋周辺の地理模型という島の模型図が見れるようになっていた。
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改めて瀬戸内は多くの島々が浮かぶなと思うとともに、今回バスに乗って通る予定である櫃石島、岩黒島、与島も見ることができた。
櫃石島、岩黒島、与島の3島に住んでいる人で、自家用車を持たない人はこのバスに乗らなければ島外へ出ることができないそうだ。
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児島駅のバスロータリーにちょこっとたたずんでいるバスが…
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もしやと思ったがこれが瀬戸大橋線である。5便運転されている中の朝夕2便だけ中型バスで運転され、島内を乗り入れるバスがあるのだが、このバスは島の中に乗り入れる。
両替に対応していない運賃箱、紙が天井から張られている料金表となかなかディープな路線バスだ。
始発の時点では私といししか乗っていなかったのだが、途中釣り人の集団を載せて席の6割が埋まった。
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瀬戸大橋をバスは走るが、瀬戸大橋から分岐するルートを走る。瀬戸大橋を通る3島の中でも最も岡山県側に位置する櫃石島である。
写真だと暗くてわかりにくいが、瀬戸大橋は道路橋と鉄道橋が二層構造になっており、ちょうど高松行きのマリンライナーが通過している。
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瀬戸大橋からぐんぐん離れ、ループ橋を下ると櫃石島である。夕日に照らされた四国方向を望む。
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先ほど通ったループ橋を櫃石島から見上げて撮ってみた。
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どうやら、ゲートに島民+琴参バスや郵便局といった企業のみが所有するカードのようなものを通して進入しているようだ。
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暗い写真で恐縮であるが、瀬戸大橋に浮かぶ島々と暮れゆく夕日を見ることができた。
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櫃石島を出るとバスは岩黒島、与島と止まるのだが、すっかり暮れてしまい写真には写しきれなかった。
日がどっぷりと暮れたころに対岸の坂出に到着。自家用車では櫃石島、岩黒島、与島のなかでは与島しか降り立つことができないなか、バスで島内を巡ることができたのはなかなかに楽しむことができた。
感染症は島の生活にも直接かかわるので、宿泊は見送ったが、機会があれば島めぐりと共に宿泊してみたいところである。

(このページの作成者 てら)

どうもこんにちは。てらです。
いしとの旅行、時たま行き当たりばったりなところもあり、西岩国駅を見てみたいと私が提案したところ、広島バスセンターから錦帯橋を経由して岩国駅まで行くバスがあるとのこと
せっかくなのでJRに乗らず岩国まで行ってみることにした。西岩国駅へは裁判所というバス停が最寄だそうだ。

ちなみに…
広島駅→岩国駅 50分770円 バスセンター→岩国駅 最速70分片道950円
広島駅→錦帯橋 50分+バス15分 770円+300円 バスセンター→錦帯橋 55分950円
ということで、広島駅と岩国駅の移動にはJRに分があるが、広島の中心部から錦帯橋や岩国駅へ行くにはバスにも十分分があるようだ。
本数もおおむね7時から20時台にかけて1時間に1本ある。
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バスセンターと聞くとどうしても公営のものを思い浮かべてしまうが…(私企業でも年季の入ったバスセンターを見かけることもあるが笑)リニューアルされているのか、こぎれいでピクトサインもすっきりとしたターミナルである。
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いろいろな行先が並ぶとわくわくしますが、自分がそのバスに乗って出かけるとなるとわくわくはひとしお。
左側の上から3番目に岩国行きのバスが乗っている。かなり高頻度でバスが運行されていることがわかる。
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バスセンター8時半発、いわくにバスの岩国駅・日の出町車庫行きの始発便はなんと私といしの二人のみで出発。先にも紹介した錦帯橋に便の良いバスは観光客のあおりをもろに受けているのかもしれないと感じた。
バスは広島城の南をかすめ、広島市中心部の西を流れる太田川を渡ってから広島都市高速4号線のトンネルに入り、アストラムラインの大塚、広域公園前を経由した。驚いたことに一人乗車があった。
加えて、運転士による手動放送で往復券を運転席で発売しているという旨の放送が入った。途中駅からの往復券の需要があるのかもしれない。そして途中から乗車した男性はバス内で往復券を購入していた。
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山陽道は山陽線や広島電鉄より高いところを走っているため、広島平野と瀬戸内の島々を時折見ることができた。
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岩国ICで山陽道を降り、錦帯橋の前を通ったのちに裁判所に到着。私といしはここで下車。目的の西岩国駅の駅舎を見学した。
(見学の時の写真は別途公開予定…)
せっかくならここを発着する列車で岩国駅へ行きたいところだが、バスの便が良いので、引き続き岩国バスに乗車して岩国へ向かう。
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いわくにバスはもともと岩国市営バスを移管した路線を引き継いでいる関係で、このように岩国市営バスの跡を随所に見ることができる。
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市営バス時代の路線図がうっすら…。岩国周辺も複数のバス会社が乗り入れており、広島方面への路線バスがあったこともわかる。
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京都市内や大阪市内でよく見かけるシステムだが、稼働していない状態が長く続いているようだ。
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路線バスタイプのバスに乗った。
乗ったバスのモケットにどこかで見たことのあるキャラクターがおり思わず撮ってしまった。都営バスのキャラクター、みんくるだ。
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終点の岩国駅に到着。いわくにバスを都市高速バスと路線バスで一度で二種類味わうことができた。
社長の問題発言などで一時はインターネットをにぎわせていた事業者だったけれど、前評判のわりには良くも悪くも衛星都市を走るバスという感じで快適に利用させてもらった。

(このページの作成者 てら)

こんにちは、いしです。
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久礼から矢井賀行のバスに乗り、矢井賀から志和まで歩いてきました。志和を昼に出発する第2便のバスで、四万十町の中心地、窪川へ向かいます。IMG_6526
前述の通り、四万十町の中心地である窪川から山を越えた海岸に位置する志和は、路線バスがわずか3本/日。
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バス停は海岸沿いの県道25号にあって、バス停から海岸を背にして振り向くと、真っ直ぐに伸びる志和のメインストリートが目に入ります。
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静かな海岸。人気はほぼなく、時折、バイクが通る程度です。バイクは矢井賀の方から、やって来ます。
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志和から窪川へ向かうバスは、このメインストリートを通ります。
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メインストリートを歩くと、棒だけのバス停が。関東民からすると、伊豆半島の某バス会社を彷彿とさせます。
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集落内は、こまめにバス停が設置してありました。ここは、志和で昼ご飯を頂ける、唯一の喫茶。地元の方も利用されています。
どうやら、矢井賀、志和辺りは地質学界隈では有名な場所だそうで、専門家が訪れることもあるんだとか。矢井賀には宿がある一方で志和には宿泊施設が無く、経済的な恩恵には繋がっていないようでしたが。
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こちら、喫茶全景。ホスピタリティ溢れて、おすすめです。目の前のこのメインストリート、相変わらずの道の狭さですが、一応、高知県道です。三桁県道なので、道のクオリティはお察しですが。

この集落から窪川方面へはこの県道を使って、目の前にある大きな山(志和峠)を越える必要があります。必然、バスもここを通るのですが、これがまた狭い上に標高も高く、かなりの難所です。地元の方も、志和峠は狭くて高いと仰っていました。
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喫茶を出て、きれいな海岸を眺めていれば、すぐバスの時刻です。
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やって来ました。四万十交通。こちらは窪川からやってきた便です。
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バスはバス停前のスペースで展開して、発車を静かに待ちます。
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定刻で発車。集落の真ん中を走る道を、山に向かって走り始めます。バス停はこまめに存在するのですが、我々以外に乗車は無し。
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次のバス停名が「志和峠」になって、初乗り運賃とは思えない額が画面に表示されると、いよいよ峠越えです。道は山道の狭さになり、右へ左へうねりながらぐんぐん高度が上がります。
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基本的にずっと山を登っている感覚。
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だいぶ上ったころ、突然、左手の車窓がぐっと開けます。
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志和集落がはるか下に見えます。出発からすぐにこんなに高度が上がりました。窪川に向かって登っているわけですが、窪川は相当標高の高いところにあるのが分かります。翻って、志和がぎりぎりまで山に迫られた場所に位置するのが分かります。
志和線で車窓が綺麗なのは、窪川行なら進行方向左手、志和行なら右手ということになりますね。もっとも、車内はガラガラなので、どこに座っても景色は見放題ですが。
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雄大。
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峠を越えると、これまでの山の険しさが嘘のように、土地が拓けます。
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もうこの先、窪川までは落ち着いた田園風景の中を走ります。
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志和線の興味深いところは、途中の「本堂」バス停で、南にある興津集落からやってくるバスと接続を取る点です。実際、本堂で興津発のバスから乗り換えてくる方がいらっしゃいました。

ほどなくして、バスは窪川の市街地に到着。最後に、窪川でうなぎを頂きました(写真は撮り忘れ)

(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。

高知県の西部にあたる土佐久礼~窪川辺りは、鉄道が海岸線から離れた内陸部を走っていて、駅から海沿いの集落までは鉄道ではなく路線バスが走っています。地図で見ると一目瞭然です。(出典:地理院地図を加工。タップで拡大)
土佐久礼駅からは上ノ加江を経由して矢井賀までバスが走っています。また、窪川駅からは本堂を経由して志和、興津(図外)までバスが走っています。海岸沿いの集落は一歩を海、三方を山に囲まれているため、集落間の移動は難しく、バスは海沿いの集落から内陸の鉄道駅へ向かう路線のみです。
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ここで。地図をよく見ると、中土佐町矢井賀と四万十町志和は集落が非常に近接していることがわかります。バス路線は繋がってませんが、どうやら歩いて繋がりそうです。もちろん、土佐久礼→窪川には鉄道が走ってますから、わざわざバスで越えようなどという人は稀でしょうし、例え路線バスで土佐久礼から窪川に向かおうとした場合でも、通常は、前記事で紹介したように、このような徒歩を強いられる海沿いルートではなく、徒歩なしにバスが繋がる山側の大野見経由のルートを皆さん選択されると思います。ゆえに、矢井賀から志和を徒歩で連絡する人など、皆無なのではないでしょうか。

ということで、(おそらく10年に1度レベルの、奇特な乗り継ぎではありますが)土佐久礼から、矢井賀・志和間徒歩連絡経由で、窪川までローカル路線バス旅を行いました。
ただし、ここで1つ問題が。矢井賀から志和への乗り継ぎは徒歩で移動できる距離(地図上の目算で徒歩1時間くらい)ではあるものの、ローカル路線バス同士のため、乗り継ぎが極めて悪いことが発覚。下に書いた乗継時刻表をで分かる通り、須崎駅→土佐久礼駅→矢井賀のバスは6本/日、志和→窪川駅はわずか3本/日。
同日乗り継ぎが可能なのは昼便か夜便のわずか2本の上、矢井賀から志和まで海岸沿いの山道を歩くことを考えると夜は避けたいという事情を加味すると、必然的に、土佐久礼10:43のバス便で矢井賀へ行き、志和13:15発のバスに乗り継ぐことになってしまうのです。
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ますます、この乗り継ぎルートにはうま味が無いことが分かりました。しかし、路線バスに乗車するのが好きな人間としては、末端集落へ向かう路線バスを往復同じルートを通らずに乗り継げる絶好のチャンスを逃すわけにはいきません。
ということで、この日は、すべての旅程をこの乗り継ぎに合わせて決行。
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幸いにも、当日の天候は晴れ。矢井賀→志和の乗り継ぎに天候の心配は無くなり、熊だけ気を付けていれば良い!!上の写真は、土佐久礼の駅前のバス停です。四万十交通のバスは駅のロータリーまで入ってくるのに対して、これから乗る高陵交通のバスは、駅前の県道にしかバスはやって来ません。
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ちなみに、久礼駅から10分ほど海岸方面へ歩いたところには道の駅なかとさがありまして、矢井賀行のバスはそこも通るので、道の駅なかとさまで歩きました。
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久礼の街中を通って、海岸線に近づくと、青看板には「上ノ加江」「矢井賀」の文字が。
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久礼の港は静か。
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漁港と道を挟んで反対側に、道の駅なかとさ。
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バス停は、道沿いの木造小屋です。
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久礼駅からやってきたバスは道の駅で転回。

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バスには地元の方数人が乗車。バスは県道25号に沿って、海岸沿いの集落を結びながら南下します。
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「イリカチ」バス停を過ぎると、まもなく、この路線最大級の集落、上ノ加江に到着です。カタカナのバス停を見ると四国を感じます。
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長い上ノ加江トンネルを抜ければ、上ノ加江に到着です。ちなみに、下ノ加江は遠く離れた土佐清水市にあります。
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上ノ加江では、乗っていた地元の方全員が下車。偶然かもしれませんが、ここまではそれなりの需要があるのかもしれません。上ノ加江には郵便局もありますし。

バスはこの後、県道25号に沿って、小矢井賀、大矢井賀と走っていきます。道中、運転士さんに話しかけられて会話する機会があったのですが、矢井賀→志和を歩いて乗り継いだ人は見たことがないそうです。そりゃそうですよね。不審がらずに気さくに話しかけて下さってありがとうございました。

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途中、工事中通行止めだった区間もありましたが路線バスということで通して頂き(その分、ダートでしたが)、無事、時刻表通り、終点の矢井賀に到着。バスはこの後近くのスペースで展開して、折返し須崎行になります。折返しには、矢井賀からご乗車の方もいらっしゃいました。
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さて、本当は集落を見て歩くべきなんでしょうけど、人通りもなく完全に不審者になってしまうので、県道から写真を撮るに留めました。ここ矢井賀には、バイク乗りには有名な「ライダーズイン中土佐」があるので、バイクは時折県道を通っていましたね。
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バスはこちらで転回。

前置きが長くなりましたが、ここからが今回のメインイベント。志和まで歩きます。
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県道は海岸線に沿っていますが、集落は海岸につながる川に沿っているので、上ノ加江バス停から県道を南下すると、集落はすぐになくなり、人気もなくなります。今回は同行者が居たので問題ありませんでしたが、一人で歩くとなると少し考え物な寂しさ。
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とはいえ、多少のアップダウンもあり、晴れていれば左手に開ける視界は大変美しいです。
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今歩いてきた、矢井賀を振り返ります。写真左手に奥まった湾に矢井賀があります。写真に見えている岬の向こうが上ノ加江。
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道はそれなりに広く、交通量も予想していた以上にありました。10分に1台くらいは車かバイクが通ったように思います。
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小一時間歩き、中土佐町から四万十町に入ると、まもなく、志和が見えてきます。
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後ろを振り返ると今来た道のガードレールが山肌に見えました。
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志和到着。至って静かな集落です。
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写真左手が海岸。県道は海岸と集落を防波堤のような形で遮っています。小さな青看板には、さらに真っ直ぐ県道25号が伸びており、この先の集落、大鶴津の名前が。ただ、県道25号はこの鶴津と志和の中間で途切れています。加えて、ネット情報(2019年末頃)に寄れば、小鶴津、大鶴津集落はもう無人化され、志和などの周辺集落からたまに元住民が通う程度のようです。
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県道25号から、海岸線とは反対側にある志和の集落を望みます。
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今来た道を振り返ります。県道25号が一段高くなっていますね。この電話ボックスがあるところが、四万十交通の志和バス停です。
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というわけで、無事、志和まで徒歩連絡が出来ました。あとは、四万十交通に乗って、窪川へ帰るだけです。

(このペイジの作成者 いし)

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