旅に、出た。

バス乗ったり、島行ったり。マニア2人の共同旅ブログ

乗り物好き若手リーマン2人、それぞれの旅行記録

カテゴリ:有人島・離島 > 中国・四国

こんにちは、いしです。
宇和島市の有人島の1つ、戸島を訪問。
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宇和島から乗ってきた朝の第一便が、島を去っていきました。
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まだ朝焼けの中、島を去っていく船。次の第2便で同じ高速船「あさかぜ」がやってくるまで、約5時間ほどあります。
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とりあえず、港から散策。

戸島はブリ(ハマチ)の養殖で大変有名な島で、「戸島一番ぶり」としてブランド化もされています。すなわち、漁業の島ですから観光化は全くされておらず、公共施設は皆無。辛うじて、郵便局がありましたが土日は当然休業です。公衆トイレもありません。訪れる方は要注意。

もちろん、戸島のぶりを頂きたい場合も戸島では食べれませんので、宇和島市街でお店を探す必要があります。むしろ、市街でぶりが食べられるのだから喜ぶべき点ですね。
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写真は、戸島港(本浦)の郵便局。

次の船が来るまでの5時間を盛大に持て余したわけですが、何もすることが無いので、とりあえず散策。そうは言っても、周囲18kmある戸島の大きさとは裏腹に、大きな集落は島の東側の2つ(定期船の来る本浦、小内浦)なので、小一時間もあれば周れてしまいます。平日であれば、貨客船と高速船をうまく使って、1時間程度の滞在に抑えるのがベターかもしれません。

島の西側にも集落が一つあるのですが、細長く暗い山道を歩いて越えなければならないので、結構大変です。島にはレンタカー、レンタサイクルなどあるわけもなく、ここにはカーフェリーはやってこないため、徒歩以外の手段が存在しないわけです。今回は、途中で断念しました。

ちなみに、島には民宿が1軒あると島の方が仰ってたので、民宿で一泊という手もあります。
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島めぐりのバイブル『シマダス』によると、この島には300人が暮らしているとのことで、小学校もまだ現役です。
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本浦と小内浦の間を結ぶ道から見た本浦。
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港で何をするわけでもなく、ぼーっと時間を潰していたら、港にわらわらと人が集まり始めました。定期船の時間のようです。
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戸島の皆さま、お邪魔しました。今度は本土でぶりを頂きます。

※往路は見落としていましたが、高速船の行先板は、戸島と蒋渕半島だけが書かれていて、嘉島は書いてないんですね。なんだか、宿毛市営船の鵜来島を思い出します。
(このペイジの作成者 いし)

こんにちは、いしです。今年の2月、もはや毎年の個人的恒例行事となりつつありますが、四国を訪れました。今回は、高知県でまだ行っていなかった有人島(下図中赤色)へ。
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20200429_高知県_中ノ島
(出典:国土地理院地図)
こちらは高知県須崎市にある、中ノ島。橋が架かっているため、本土から路線バスでアクセスが可能です。(今回は時間の都合でレンタカーを利用しましたが)
一方、地図中の緑色は、同市戸島(へしま)。こちらは、歴史ある島で恐らく今も人がお住まいのようですが、定期船はなく、訪問には船のチャーターが必要です。そのため、こちらは高知県の「アクセス可能な」有人島ではないと判断し、視認するに留めました。
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さて、中ノ島は地図で見ると須崎市の中心地(須崎駅~多ノ郷駅あたり)から目と鼻の先に感じるのですが、入り組んだ野見湾のおかげで予想以上に辿り着くのに時間を要します。道中も写真の通り1.5車線のアップダウンを繰り返すくねくね道。なかなかの秘境感です。
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須崎市の高速道路をくぐり、石灰石の工場脇を県道で越えて、曲がりくねった峠道を進みながら野見湾に差し掛かったころ、ようやく中ノ島が見えてきます。
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かすかに、橋が見えましたので、確かに中ノ島です。
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見えたからと言ってすぐにたどり着けるわけではなく、野見湾を周らないと辿り着けないので、視界からは一度中ノ島は消えます。
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ところでこの野見湾、入り組んだ地形ということもあって海も町もたいへん静か。地図で見たところ、郵便局がありました。市街から距離はありますが、それなりの規模を持っています。
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集落を抜けてしばらく走ると、いよいよ中ノ島です。
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写真前方の橋「中の島大橋」を渡ると、中ノ島です。
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こちら、島から本土を望んだ図です。橋のたもとに漁港があって、そこで車を短時間なら止められます。(バス停もあるので邪魔にならないように)
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波が穏やかで、現在は鯛、カンパチの養殖が行われています。釣り人をちらほら見かけましたので、釣りスポットのようですね。
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こちら、漁港の様子ですが、写真右手にある自販機が島唯一の店。写真左手にはバス停があります。
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市営バスとは言え、7本/日も走っています。公共交通でのアクセスも比較的容易です。
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漁港の裏には、集落が。
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漁港付近を眺めていたら、間もなく市営バスがやってきました。
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いわゆるマイクロバス。乗客はゼロ人でした。バスはここで転回して、須崎駅へ引き返します。

さて、これにて、高知県の有人島は全訪問できました。※定期船の無い戸島を除く。
(このペイジの作成者 いし)

こんにちは、いしです。

山口県の日本海側には、船で行く萩市の島々以外にも、他市にいくつも島が存在します。

そのどれもが架橋されているため、比較的簡単に訪れることが出来ます。今回寄り道した青海島もその1つです。
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青海島へは、JR山陰本線の長門市駅からサンデン交通バスでアクセスが可能。
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サンデン交通、長門市内は比較的新しい車両が多かった(イメージ)です。青海島行きといっても、行先はいくつかありまして、青海島へ渡ってすぐの場所にある「大泊」(バスが何台も留置してある車庫)止まりのバスが10本/日、そこから島の西側へ行く「青海」行が2本/日、東側へ行く「通」(かよい)行が10本/日あります。大泊までは計22本/日というなかなかの幹線。たしかに車内は高齢の方を中心に座席が埋まる程度に利用者が居ました。
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今回の乗車は島の東側の集落「通」まで走る長距離便です。長距離便といっても、島の入口「大泊」止まりのバスははるばる下関からやってくるバスもあるのでそっちの方が長距離ですが。
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長門市駅を出ると、西の海岸線沿いを、仙崎方面へ上がります。
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仙崎駅前を通って、道の駅「センザキッチン」を出発すれば、すぐに青海大橋を渡って、青海島です。
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青海島、結構大きな島なのですが、想像以上に険しい。島の北側は奇岩が立ち並んでおり、本土の仙崎港から出る遊覧船で青海島の周りを一周できるようです。
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右手には本州と青海島に挟まれた静かな仙崎湾を見ながら、バスは大日比、船越、通と海岸線に沿って東進します。おそらくこの写真の辺りは、集落がないので柴津浦でしょうか。
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バスは利用客が多く、こまめに下車客を扱います。このあたりはどうやら、釣りスポットのようで、車で来た釣り人が皆、防波堤から竿を海に垂らしていました。
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釣り客をぼんやり眺めているうちに、終点「通」に到着。
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通バス停です。
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通バス停は、通集落の中心地を通り過ぎて少し行ったところにあります。
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このあたり、鯨の博物館や、文化財となった旧邸宅などもあって、釣り客と観光客を合わせて存外に人の多い場所です。
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海は仙崎湾。波はいたって穏やかです。
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青海島に来た証。やはり仙崎は捕鯨の街ですね。
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ちなみに、中心地は通漁港前バス停あたりです。

続く
(このペイジの作成者 いし)

こんにちは、いしです。

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鬼ようずに迎えられた日本海の孤島、見島。ここは有史以来重要な島であり、歴史的な構造物が島に点在、ダイビングや釣りなどの観光コンテンツもある、山口県の離島です。そうは言っても開発は全くされておらず、観光客を受け入れる体制はそこまでではなく、知名度も高くありません。その分、島の時間や暮らしを体験するには向いているかも。

島にはレンタサイクルがあるという情報を入手していたため、自転車を探しましたが、港すぐの所にあったショップは休業中(2019年11月現在)。島や宿の方に聞いたところ、島の見島支所でレンタサイクルを貸し出しているとのことだったので向かってみましたが、あいにく5台とも予約で埋まっていました(全部、電動自転車でした)。見島へ行く場合は、観光協会へあらかじめ電話して交通手段を確保した方が良さそうです。

島にはバスなどの公共交通は一切なく、宿のご好意で貸して頂いた車もガス欠の上、訪れた時は3連休中日で島のガソリンスタンドは閉店中。よって、今回は本村集落近くを歩いて散策することにしました。島の山を越えた先にあるもう一つの宇津集落や、島に点在する観光名所はまたの機会ということに。
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本村集落は、車が通れる道の他に、写真のような細い路地がたくさん走っています。
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こちらは車がすれ違える幅のある車道。
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島には、商店もありました。
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島にはこのように貸し出し用の電動自転車が。前述のように、予約した方が無難です。
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こちらは本村の海岸。
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本村の漁港には、神社がありました。
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本村の集落から島を東へ進むと、離島にしては珍しく、ダムが現れます。見島ダムです。見島ダムの下流には田が広がっていて、そこだけ見ると島にいることを忘れてしまいます。
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田畑からもう少し海岸沿いを東へ向かうと、ジーコンボ古墳群のある海岸にたどり着きます。なんでも7世紀後半から10世紀初めまでに作られた古墳群で、国の史跡になっています。


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今回歩いた「本村」集落側は、古くから農業が営まれているようで、今日も稲作が行われています。ウシも近くに居たのですが、島ではどうやら島の牛は食べられない模様。島には、天然記念物たる見島牛(日本の在来種)、見島牛と西洋の牛から生まれた見蘭牛の2種類の牛がいますが、どちらも大変貴重なんだとか。
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ちなみに田の稲はもう刈り取られていましたが、ここ見島は他の日本海側の有人島と同じく、バードウォッチングの聖地になっており、ウォッチャーをちらほら見かけました。旅館もウォッチャーの宿泊が多いようで、彼ら向けの張り紙もしてありました。日本海沿いの島を感じます。日本海側の島は島数が少ないからか、渡り鳥の休憩地になることが多いような気がしますね。

続く
(このペイジの作成者 いし)

参考:見島の暮らし(特に昭和30年頃)や集落の成り立ちは、下記の本に詳しいです(底本は少し古いですが)。
宮本常一『私の日本地図13――萩付近』(未來社、2013)→アマゾン

こんにちは てらです。
前編の続き 小豆島編です。
お昼を頂いた後は、しょうゆ工場の見学へ。小豆島と醤油の関係は深く、江戸時代より醤油づくりが行われている。明治時代には佃煮やそうめんと並んで醤油が特産品の一つに数えられるほどだ。
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まずはということでマルキン醤油の工場に併設されている博物館にお邪魔した。
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写真はすべて立ち入りが許可されている区域より撮影。時たま、立ち入り禁止の札を越えて立ち入っている観光客がいるようだが、立て札がきちんと設置されているのでくれぐれも気を付けて。
この近辺は醤油蔵が数多く立ち並んでおり、特に木桶で漬け込んでいるしょうゆ工場も数多くある。
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そのあとに我々が訪れたのはヤマロク醤油の工場。ここでは案内付きの工場見学を事前予約なしで行ってくれる。我々も飛び込みだったか快く引き受けてくださった。 
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醤油を漬け込んでいる桶。直径は1m半以上あった。
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桶には醤油のもろみがついてうっすら白くなっていた。

翌日は天気も良く景色の良いスポット二つを巡った。
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エンジェルロード、干潮の時刻を中心に3時間程、こうして島と島の間に道が現れる。干潮の時刻にあわせて行ったらあんまり道ができている感じがしません…。日曜日ということもあり多くの観光客が訪れていた。
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最後に訪れたスポットは島の中心部に位置する寒霞渓。頂上へは車のみで上ることも可能なのだが、ロープーウェイに乗って渓谷の谷の部分を見ながら行くことにした。
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ギラリと輝く湾内を背にどんどん登っていく。
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もともと小豆島は海底火山によるマグマが冷え固まって隆起してできた島であり、寒霞渓では火山活動によってできた安山岩、集塊岩が織りなす渓谷美を見ることができる。
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前編のオリーブ公園より高い位置から望む小豆島南西部 正面に見える島のようにくびれている半島が田浦 奥に見えるのは四国側の香川県
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鳴門大橋もちょこっと見ることができた。

(このページの作成者 てら)

どうもてらです。
坂手港から降り、早速小豆島の観光をスタートということで、小豆島編を前編、後編の二部構成でお送りします。

坂手港は草壁や池田、土庄の各港と比べると市街地がやや遠い。
今回はバスで土庄の市街地まで出て、そこでレンタカーを借りることにした。
小豆島レンタカーさんならば、港から乗車、降車できるサービスをやっているので行きと帰りで違う港を使うヲタクには嬉しい。(土庄港からは無料の送迎もある)
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最初に向かったのは土庄の市街地の真ん中にある土淵海峡。いきなりディープスポットだ。ギネスブックでも認定されている世界で一番狭い海峡である。町役場のそばにあるため、ちょっと車を役場に止めさせていただいた。
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証明書もいただた。土日なので発行作業に当たる当直の人がちょっと気だるそうだったが、当直ってしんどいですよね。(突っ込むところはそこか)
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土庄の中心部は狭い路地が入り組んでおり、迷路のまちと呼ばれているほどだ。
石垣や渋墨塗りの家屋が目立つ。
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ふと路地を見上げると三重塔 西光寺の三重塔だ。西光寺は高野山真言宗の寺社だそう。確かに色遣いや建築も似ているかも。
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三重塔から街並みを望むも、曇り…。西光寺の正面に回ってみるとしよう。
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西光寺仁王門
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西光寺から町役場までの帰り道。目線を落とすと、レトロな消火栓とホーロー看板。
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天気も良くなってきたのでオリーブ公園へ。公園では様々な品種のオリーブが栽培されていた。
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オリーブ公園から湾内を望む。左手に見えるのは小説 二十四の瞳に出てくる田浦地域。
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公園の近隣には園芸用品やハーブを扱う店が建ち並んでいた。
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このギリシア風車は、ジブリでも有名な作品の一つである魔女の宅急便の景色をほうふつとさせるということで、インスタグラム等で良く紹介される観光地の一つ。道の駅でほうきの貸し出しもあったりする。そんなわけで土日に行くとこういう感じで人が映り込まないように撮るのもちょっと一苦労。
ここから、30分ほど車を飛ばして山間部へ
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島に山間部…? と思われる方もいらっしゃると思う。実際私も行く前は地図を見てもピンとこなかったのだが、最高標高が800m以上あり、島内にある星ヶ城山は四国百名山にも選ばれているそうだ。
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島では珍しい棚田、中山千枚田。耕作放棄地もところどころあるものの、観光地として景観を保つ目的もあってか、多くが耕作されていた。
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島のお米やサワラ魚の天ぷらなど島の特産が満天のこまめ食堂でお昼をいただいた。

後編へ続く。
おことわり:観光ルート上、小豆島町と土庄町を分けると読みづらいのでいった順に紹介していきます。

(このページの作成者 てら)

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高知県宿毛市から定期船で約1時間のところにある有人島の1つが鵜来島です。集落は港のところの1つだけ、島民の方も20人ほどと、とても小さな島です。郵便局はおろか、商店も学校もありません。2019年2月、この鵜来島に一泊して来ました。

鵜来島の位置はこちら(オレンジが大まかな定期船のルートと船着場、緑と黄色はこの記事に登場する主な場所、青は徒歩ルート)。

この記事は、この記事の続きです。全体の行程はこちらの記事を、全体のルートはこのマップを参照。
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隣の島、沖の島の弘瀬港にある小屋で定期船の切符を購入し、鵜来島へ向かいます。
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弘瀬港から鵜来島へ向かう人は滅多に居ないのでしょう。乗船券はなんと通算96枚目。宿毛市の片島から沖の島の母島までいく切符が989枚目だったことを考えると、この乗船券の色褪せ具合も手伝って、移動の少なさを実感します。

午後の定期船に乗り、約30分の道のり。しかし、これが人生最強の船旅となりました。

弘瀬港の時点でかなりの強風が吹きつけて居たのですが、乗船時に船員さんが「今日はかなり風が強い」と仰っていたほど。実際に乗ってから港を出ると、船はまるでフリーフォールかジェットコースターのように激しい浮き沈みを繰り返しながら進んで行きます。波にぶつかる度に船はゴンと大きな音を立て、右舷の窓にも左舷の窓にも容赦なく波がかかります。座敷席で横に寝てはいたものの、想像を絶する揺れで、身体が床から一瞬浮いたり、その弾みで枕も押さえていないとどこかに行ってしまったりしてしまうほど。何度も何度も胃が浮く感覚を始めて味わいました。人生最大の船揺れを経験出来ました、、、
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どうやら地元の人も酔っていたようで、我々も強弱はあれどもれなく船酔い。なんとか鵜来島へ到着しました。

港では島民の方が待っていて、船の係留から荷卸しまで行います。島には車がありませんから(車が通れる道もない)、船から先はリヤカーで運搬。下船したところでは、予め電話で予約しておいた民宿「しまの灯り」のお母さんにお出迎えして頂きました。

民宿「しまの灯り」については、ホームページ「とさぶし」さんと、日本離島センター季刊誌『しま』255号、34-38ペイジが詳しいです。是非ご一読ください。

お母さんのお話では、この日の午後便はなんと欠航ギリギリだったとのこと。そんなこととはつゆ知らず、幸運にも乗船できたわけです。宿毛の片島出発時に風速18m/sが欠航のラインだそうで、この日は17m/sだったんだとか。本当にギリギリです。首の皮一枚で鵜来島に来れた喜びと共に、帰りはこれよりひどく揺れることは無いんだと謎の安心感もやってきました。

宿毛と鵜来島、沖の島を隔てる海域はもともと海が荒いようで、おかげで冬は釣り客のメッカになっています。冬はとりわけ荒れることが多く、欠航も少なくないんだとか。
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定期船が去った港は静かなもので、猫が数匹いるほかは動くものが見当たらず。お母さんの案内で、宿へ向かって少し船酔いをさました後、集落の上にある神社を見に行きました。
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島には集落が1つだけで、沖の島の母島集落のように三方を山に囲まれていて、風は穏やかです。港から見て左手に神社が、右手に寺の跡があります。
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神社からは集落が一望できます。
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反対側には寺院跡。
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寺院から見た集落です。向かい側の山の中腹に先ほど居た神社の鳥居が視認できます。
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電柱にはしっかりとウグルシマの文字が。
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集落の道はこのように階段が続く細い路地で、移動は思った以上に大変です。猫は結構な数が居て、どうやら3グループに大別できるようで、それぞれの縄張りで暮らしているとのこと。

この日は、お母さんの夕食を頂いた後、お母さんと島についての話を熱く交わしました。島の将来も含めた大局的観点から島のことを一生懸命考えておられる方で、話している中でその熱い思いをたくさんある感じられました。明日の朝の準備が早いとのことで、お互いに語り尽くせなかったのが残念でなりません。
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翌朝は、朝食を頂いた後、港で切符を購入し、宿毛に戻りました。遠くから定期船がだんだんとやって来ます。海は昨日より明らかに凪いでいました。
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船を降りた後は、宿毛の片島港からタクシーで宿毛駅へ向かい(バスは船とも鉄道とも接続が悪い)、岩本寺へ寄った後、鉄道で東京へ帰りました。

民宿「しまの灯り」さんには、島の到着から翌日の出発まで、滞在の一切をお世話して頂きました。この場を借りて、お礼を申し上げます。ありがとうございました。

完。

追記(2019/3/18)
民宿しまの灯りさんの電話番号はこのサイトのものが繋がりました。これから訪れる方は、参考にしてください。また、島で宿泊できる所はもう一軒、うぐるBOXさんもあります。
(このペイジの作成者 いし)

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四国の離島を思い浮かべる時、どうしても瀬戸内海をイメージしがちですが、太平洋側にもいくつか離島が存在します。その中の1つである高知県の西端に位置する沖の島と鵜来島は、おそらく四国で最も行きにくい離島の1つではないでしょうか。2019年2月にその両島を訪れました。

沖の島の位置はこちら(オレンジが大まかな定期船のルートと船着場、緑と黄色はこの記事に登場する主な場所、青は徒歩ルート)。

この記事は、こちらの続きです。全体の行程はこちらの記事を、全体のルートはこのマップを参照。
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宿毛市の港、片島港からは運休中の宿毛フェリー以外にもう1つ、市営船の「すくも」が出航しています。「すくも」は宿毛市に属する沖の島と鵜来島へ向かう唯一の手段で、午前と午後の1便ずつ、島と宿毛市を結んでいます。

午前便は宿毛の片島港を出港すると反時計回りに、鵜来島、弘瀬港(沖の島)、母島港(沖の島)と周って片島港に帰ってきます。午前便はそれとは逆の時計回りで、母島、広瀬、鵜来島と周って片島港に戻る便です。
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午前の定期船に乗って、まずは沖の島へ向かいます。写真は、片島港で出発を待つ「すくも」です。「すくも」は82トン。決して大きくない船体ながら、沖の島や鵜来島までの荒れる海域を力強く走ります。

船内は二階建て。二階席と一階席の船首向かって左側は座席。一階席の右側は座敷で、横になれるようになっています。船内には金だらいも用意され、船酔いで我慢できない時は恐らくこれを使えます。今回は念のために酔い止め(エスエス製薬「アネロン『ニスキャップ』」)を服用しました。

曲者なのは、朝7:00に片島港を出る定期船へのアクセス。片島港は宿毛市街からは2km以上離れていますが、朝はバスが無く、タクシーも原則7:00から。今回は徒歩で港へ行きました。基本的に皆さん車でアクセスされるようです、、、
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片島港を定時に出港すると、50分かけて鵜来島へ向かいます。船はどんぶらと揺れてはいますが、そこまで強烈ではなく、船内は快適。鵜来島を経由した後は沖の島へ。まず弘瀬港に入港した後、15分ほどで母島港へ到着です。
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「すくも」は各島への郵便や荷物、時には車の輸送も行っていて、まさに島の生命線です(船には郵便〒のマークもある)。
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この便も母島港に着くなりすぐに荷卸し作業に取り掛かっていました。郵便局の方も来ていました。
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朝9時前に島に着いても特にやることもなく、散策を開始します。しかしながら、写真に写り込む島の方々を見てわかる通り、2月の沖の島は冷たい強風の吹きすさぶところで、港以外の三方が山に囲まれている母島の集落でも風は強く、とても外に長時間はいられません。
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集落の上の方にあった神社に参拝した後、とりあえず集落の上にあるコンクリート三階建ての建物、沖の島支所へお邪魔させていただきました。支所では、昼食を食べれるところや移動手段などを尋ねて、しばし玄関で休ませてもらいました。仕事中にもかかわらず、丁寧に教えていただきました。

すこし休憩した後、相変わらずの強風でしたが意を決して集落へ。支所から少し下って港に向かう下り道の中腹にある母島郵便局へお邪魔しました。ATMで少し滞在費をおろした後、風景印を押してもらうために葉書を購入し、記入して投函しました。

郵便局では局員の方にとても親切にして頂きました。港近くにある共有の休憩所や昼食の場所など、業務中にもかかわらず、突然訪れた見ず知らずの我々に色々と教えていただきました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。皆さま、沖の島へ訪れた際はぜひ母島郵便局へ(弘瀬にも郵便局があるようです)。
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昼食は、港の定期船乗り場の向かいにある旅館おきのしまさんで頂きました。写真は親子丼です。夏であれば、こちらで電気自転車2台を貸してもらえるとのこと。また、空いていれば、車も借りられるそうです。この日はあいにく出払っていましたので、借りられませんでした。
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旅館の方の話では、隣にある弘瀬の集落まで徒歩で行けるとのことでしたので、歩いて移動することに。約1時間半の道のりです。写真は、歩き始めてすぐのところで後ろを振り返って母島集落を撮ったところ。この道、県道です。
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さらにこの県道を登って行くと、青看板が登場します。県道の証、ヘキサゴンも書かれています。ここは右へ折れて弘瀬へ向かいます(久保浦、谷尻という集落は、母島から見て島の反対側、東に位置する集落)。
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途中、視界の開ける展望台(白岩岬公園キャンプ場)もあります。左に見えているのは姫島。無人島です。右に見えているのが鵜来島です(地図で確認)。
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弘瀬の集落が見えてきました。先ほどまで居た母島とは違い、だいぶ海に向かって開けた形をしており、そのぶん風は強く吹き付けてきます。港にある小屋で休ませてもらいました。
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続いて、午後の定期船に乗って、ここ弘瀬から鵜来島へ向かいます。

続きます

(このペイジの作成者 いし)

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高知県にある有人島のうち、最も有名なのは恐らくこの柏島ではないでしょうか。その海の綺麗さは日本有数で、夏には近隣県から海水浴に多くの人が訪れます。

2月というオフシーズンの中、静かな柏島を訪れました。また、帰りがけに、宿毛市にある大島も訪れました。この記事の続きです。全体の行程はこちらの記事を、全体のルートはこのマップを参照。


四国旅行2日目の朝は、高知市からスタート。土佐市を抜けて、横浪三里へ向かいます。
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西から大きく張り出した横浪半島によって、横浪三里(浦ノ内湾)は穏やかで入り組んだ湾になっており、高知の景勝地の1つです。中には、須崎市営の渡船も日に数本ですが走っています。今回は横浪半島を横断する県道を使って、車で西進しました。
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途中の展望台からはこのような景色も見られます。民家や集落は少なく、このような地形と青い海がどこまでも広がる風景。

横浪三里を抜けて、須崎市街に入った後は、高知自動車道の無料区間と国道56号を通って宿毛市の平田まで一気に駆け抜けます。平田からは三原村を経由して、土佐清水市へ。三原村から土佐清水へ抜けるこの県道21号線は中々に狭い1車線道路で、すれ違うのもやっと。途中道に散乱していた落石を一度下車して手でどかしながら、曲がりくねって中央に苔むした狭路を進みます。

途中、向かいからダンプがやってきて数百メートルほど後退するというイベントも発生。同乗者を含めてすれ違いに必死で、写真は撮り忘れ、、、
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やっとの思いで県道21号を抜けて国道へ合流し、土佐清水市街を通過して足摺岬へ。
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岬から徒歩数秒の金剛福寺(38番札所)への参拝も済ませて、柏島へ向かいます。

一度、土佐清水市街へUターンした後、国道で西へ西へ進みます。大月町役場の手前で左折し、県道43号線で柏島へ。
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県道は標高の高い町役場辺りから、柏島まで段々と下がっていくルート。そのため、島に近づくと県道沿いの展望台から、写真のように柏島を望むことが出来ます。
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柏島の海はとても青く、曇りの冬の日でもこの透明度(近くにある沖の島や鵜来島も綺麗)。日本の広さを実感させてくれます。
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柏島の集落は、塀に囲まれた中に位置しています。中にはいくつも細い路地があり、住民の方が静かに暮らしています。写真の道路中央に写り込んでいるのは猫です。

柏島からは再びレンタカーで移動。今度は北上して宿毛市へ向かいます。先ほど来た県道を戻り、大月町役場のところを左に折れて、北へ向かいます。
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宿毛市の港には、昨年秋から燃料費の高騰で運休中の宿毛フェリー「ニューあしずり」が停泊していました。船体はかなり錆び付いており、この航路の再開の難しさが目に見えて感じ取れます。
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海を向いて、宿毛フェリーの左側数百メートルのところには、市営渡船の乗り場があります。沖の島や鵜来島はここから出る市営定期船に乗船することになります。丁度、この港の左手に宿毛市の大島があります(地図で確認)。
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大島は架橋されているため、宿毛から車でアクセス出来ます。リゾートホテルもあるため、そこそこ車も走っており、活気があります。写真は島の西にある、初代宿毛市長の像です。
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大島に少し寄り道をした後は、隣町、愛媛県南宇和郡愛南町へ。写真はその道中の国道の旧道にある県境の看板。下にバス停がポツンとあることから、ここを通る路線バス(宇和島自動車「城辺・宿毛線」)はこの旧道経由であることがわかります。
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写真は、愛南町の街中に入って、40番札所観自在寺です。参拝を済ませた後は、高知県に戻って中村駅前でレンタカーを返却し、鉄道で宿毛駅へ行って、宿毛で一泊しました。

翌日は、いよいよこの旅のメイン、高知県唯一の有人離島、沖の島と鵜来島へ向かいます。
続きます

(このペイジの作成者 いし)

続き

徳島空港からはレンタカーを手配し、一路南下。鶴林寺を経由して、徳島県最南端の島である海部郡海陽町の竹ヶ島を目指します(ルートはこちら)。

途中、道中にある四国八十八箇所20番札所の鶴林寺へ参拝し、旅行の安全を祈願。県道19号線を南下して、日和佐駅の北方で国道55号に合流し、日和佐から牟岐までは海岸を進む県道147号(南阿波サンライン)を走りました。
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県道途中で停車し、カントリーサインを接写。
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いよいよ海部郡牟岐町に入ります。牟岐町にも有人島があるのですが、今回は時間の都合上、やむを得ず通過。いずれまた来ます、、、
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牟岐駅付近で国道55号に合流。再び、海岸線沿いを南下します。海陽町に入って、宍喰の集落を抜けた先のトンネルをくぐると、いよいよ高知県です。
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写真ではピンボケしていますが、パスポートの右上に移っている看板が県境。徳島県に属する竹ヶ島は、この県境の手前の道を左折します。
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曲がったところには、竹ヶ島1kmとの青看板が。

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竹ヶ島は架橋されているので、ほどなくして到着。
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こちらは竹ケ島の入口にある南部バスの竹ヶ島バス停。牟岐駅から海部駅経由でここまで来ています。

竹ヶ島からは、国道493号を使って北川村、馬路村と経由。高知市へ向かいました。文字で書くと一瞬ですが、寄り道したとはいえ実際はレンタカーで7時間弱かかりました。
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加えて、このように馬路村からの帰りは工事のため時間帯通行止め。丁度引っかかってしまい、20分程足止めというハプニングも。「水曜どうでしょう」という番組をよく見ているため、あぁこれが四国の洗礼か、と妙に納得。
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高知市に戻った後は、桂浜の近くにある県営渡船乗り場へ野次馬。もう最終便しかなかったので乗るのは諦めました。
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市内に戻って夕食。同行者のおすすめの店、喰多朗でおいしく土佐料理を頂きました。

1日目、了。
2日目に続く
(このペイジの作成者 いし)

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