こんばんは、いしです。
温泉、登山、キャンプ、廃墟などなど。コンテンツが豊富な割に、魅力度ランキングではいつも下位争いを繰り広げている群馬県。皆様は行ったことがあるでしょうか。おそらく、関東の方なら一度くらいは訪れたことがあるとは思いますが、時には「群馬へはパスポートが必要」との冗談も聞かれる、群馬県に皆さんはどうやって入境しているでしょうか。(主に南からの入境を想定)

観光、仕事問わず、群馬に行くとなったらほとんどの人が、関越自動車道(自家用車、高速バス)or鉄道(新幹線、高崎線、東武線)を思い浮かべるし、実際、そのどちらかを皆さん使うでしょう。しかし、そこは懐の広い群馬県ですから、まだまだ入境手段はあります。

まず、公共交通好きならおそらく、埼玉県熊谷市から群馬県太田市への路線バスを思い浮かべるのでは無いでしょうか。県境を越える路線バスが減る傾向にある昨今、県境を越えるバスを2社が運行しているこの路線は相対的に貴重になっているように思います。北関東民なら言わずと知れた朝日バス、それから群馬のご当地矢島タクシーがそれぞれ、熊谷駅と太田駅を結んでいますし、約1本/hと便数も豊富。矢島タクシーはこの路線に力を入れているようで、「Ota-Cityシャトル500」なる名称までついています。

路線バスで群馬といえば、本庄~伊勢崎の国際十王交通(朝日バスグループ)もあります。東武線沿線から東京へは、東武線を乗り通すよりも、バス+JRの方が早いということなのでしょうか。

さて、路線バス、高速バス、新幹線、在来線以外にもう1つ、群馬へ渡る手段があります。それが、利根川を渡る、赤岩渡船。
赤岩渡船は、埼玉県熊谷市と群馬県邑楽郡千代田町を結ぶ、知る人ぞ知る路線。埼玉県民も知っている人の方が少ないと思います。渡船の港までは埼玉側も群馬側も路線バスが通っていますので、バス+渡船で群馬に入境できるという、令和とは思えない組み合わせ。
20200531_赤岩渡船全体
上図、赤い点が渡船の就航地で、オレンジと青の線がバスの走るおおよその方向です。つまり、この渡船を使えば、熊谷→館林や、熊谷→小泉→太田を行き来できるわけですね。もっとも、太田熊谷は前述のバスがあるので、使う人もそんなにいないと思いますが。
20200531_赤岩渡船角田尾
さて、この渡船、確かに道路橋がしばらく存在しない中間地点を結んでいます。拡大図の西側の橋は、熊谷と太田を結ぶ国道407号の刀水橋。東側の黄色い橋は県道20号武蔵大橋で、埼玉側は行田市に位置します。

今回は、熊谷から千代田町までこの渡船を利用します。
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こちらが熊谷の拠点、葛和田バス停。バスの右側に待合小屋、オレンジ色のバス停が見えます。対岸が見えてますね。あそこまで船で渡ります。
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バス停には待機小屋、渡船の歴史を示す板がありますが、それ以外は何とも殺風景。
船は常に赤岩(群馬側)に居ますので、熊谷から利用する場合は、船を呼ぶ必要があります。そこで活用するのが、バス停左にある黄色旗。これを掲げるて、船に乗りたいという意思を示します。

黄色旗を掲揚して合図せよとの旨が小屋にも書いてありましたので、公立中学校の校旗掲揚の要領で、掲げて船を待ちました。この旗、結構重いです。
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船を待つ間はこの小屋で一息付けます。ちなみに、窓の張り紙にあるように、船の料金は無料です。県の補助を受けて運航しているとのこと。

旗は上げたものの、しばらく待っても船が来る気配がないので、不安に思っていると、小屋の中に張り紙を発見。曰く、「来ないときは電話をかけてくれ」と、個人の携帯番号が書いてある張り紙が。というわけで電話すると、担当の方が出て、今から船を出すと仰ってくださいました。ありがとうございます。旗を揚げても船が動いていないと感じたら、電話するのが正解なようですね。

あとで対岸から熊谷側の黄色旗を確認しましたが、結構小さくて見えづらかったので、電話制度が存在するのも納得。
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15分ほどして、舘林土木事務所所有の、新千代田丸、登場。小雨の日に船を出していただきました。ありがとうございます。
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出航。自転車は積み込めますが、屋根はありません。野ざらしです。抜群の爽快感。
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さようなら熊谷。
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群馬がどんどん近づいて来ます。
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ほどなくして、接岸。
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プライバシー保護のため一部加工しました。新千代田丸のみなさん、悪天候にも関わらず、乗せて頂いてありがとうございました。
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群馬側には、先代千代田丸と思われる船も居ました。
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堤防には、バス停が。ここからは館林行のバスが出ています。
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少し歩けば、太田行の路線バスにも乗車できますし、太田行でこの近辺を通らない便もあるので、役場まで1km程度歩けば、そちらにも乗れます。

※赤岩渡船は、待合室の資料によれば風速8m/s、波高0.5mで欠航のようなのでご注意を。

(このペイジの作成者 いし)