冬に、北へ行く。
決して、スノースポーツを楽しむ目的ではない。
冬に北へ足を運びその地域の営みを覗いてみたいなと思ってしまうのが旅人の性なのだ。

選んだのは仙北市の角館町。武家屋敷が並ぶ街並みで有名である。
春は桜の名所としても有名なのだが、雪国の冬の営みを覗いてみたくなり訪れた。
盛岡からレンタカーを走らせること小一時間、途中雫石で休憩をはさんで角館についた。
_MG_7571_convert_20190307233105
駐車場が建造物保存地区付近に整備されており、駐車場からはあまり歩かない。
車通りが少ないため景観にも配慮されている。
_MG_7547_convert_20190307233129
内町を散策。内町は武家屋敷群が立ち並び、江戸時代に武士が住んでいた場所にあたる。
JRのポスターなどでもたびたび目にするのはこの通りである。春は桜が咲き乱れるため多くの観光客が訪れるようだが、冬の黒い壁と雪の白さのコントラストが強い冬もまた見ごたえがあった。
_MG_7569_convert_20190307233408
黒い壁は柿の渋で染めているそうだ。
_MG_7560_convert_20190307233217
角館の武家屋敷はいくつかが内部も公開されている。
写真撮影が可能なところのうちで、最古の武家屋敷という事もあり石黒家に入ってみた。
_MG_7551_convert_20190307233339
石黒家は唯一茅葺で屋根がつくられており、かつ今も末裔が住んでいる武家屋敷である。
武家屋敷にも格式があるそうで、正玄関と脇玄関の二つを備えている石黒家は特に格式が高いそうだ。
_MG_7558_convert_20190307233309
_MG_7556_convert_20190307233248
江戸時代の角館の地図を見ていると、武家屋敷(地図の左)と商家(右)はばっさり分かれている。火事の延焼を防ぐ目的があったともいわれている。
_MG_7564_convert_20190307233546
石黒家以外にも武家屋敷は内部公開がされている。
_MG_7562_convert_20190307233428
青柳家の蔵
_MG_7566_convert_20190307233642
商店も景観を崩さないたたずまいだ。
_MG_7570_convert_20190307233449
重要伝統的建造物群保存地区とは、価値のある建築物を単体で保護するのではなく、面(その周辺一帯にわたって)保護することにより街並み全体を残していくことを目的としている。
角館の他には、世界遺産にも選ばれている白川郷や五箇山といった山村集落、関東近県では川越や佐原の商家の街並みなどがこれにあたる。
建物だけでなくエリアとして地域を守ることで、地域の個性なども際立つのだなと勉強させられるのだった。

ここから田沢湖を回るべく、角館の街並みを後にした。

(このページの作成者 てら)