旅に、出た。

バス乗ったり、島行ったり。マニア2人の共同旅ブログ

乗り物好き若手リーマン2人、それぞれの旅行記録

タグ:有人島

こんばんは、いしです。

奥尻島シリーズ、最後の記事です。

奥尻島には空港があり、日に1便だけ、函館行のJAL便が就航しています。
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空港ターミナルは、新しく綺麗。
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奥尻空港にアクセスする道の、空港手前の道を曲がると、かつての奥尻空港ターミナル跡(廃墟)がまだ残っています。昔の滑走路も一部残っていて、Googleや国土地理院の航空写真で上から空港を見ると、その様子がよく分かります。
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こちらは、新ターミナルの空港カウンタ。飛んでいるのは北海道エアコミュータ(HAC)ですが、空港はグループのJALのマークです。
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時刻表はシンプル。日に1便です。宿の方には、空路で帰ると言ったら驚かれましたので、滅多なことのない限り使われないのだと思われます。
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カウンタ隣で保安検査を抜けると、ガラス張りの待合室で待機することになります。ここでは奥尻島の天然水が冷蔵庫に保管してあって、無料で頂くことが出来ます。
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函館から飛行機がやって来ました。折返し便で函館へ向かいます。この機体、もうすぐ引退だそうです。
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タラップから乗り込みます。
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機内は、1-2列の配置。人生で最も小さな機体でした。
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離陸後しばらくは、奥尻島が見えます。改めて、島の大きさを感じられました。

函館まではわずか数十分。あっという間のフライトで、もうすぐ日常です。


(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。

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奥尻島の玄関口、奥尻港です。役場もある、島の中心集落「奥尻」にあります。ここからは、町の集落を巡る町有バスも発着しています。
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北海道の市町村に必ずあるカントリーサイン、奥尻島は、港に面した県道に建てられていました。
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奥尻集落にある交差点から、島南部を見ていると、奥から町有バスが走ってきました。車体はいわゆるマイクロバスです。
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しばし、奥尻集落を見学させて頂きました。島の一周をぐるっと周る県道から丁字路を曲がったところに、役場や駐在所などの各施設が揃っています。なんと、奥尻島にはセイコマートがありました!規模の大きな島とはいえ、離島まで店舗網を張り巡らせるセコマ、頼もしい限りです。
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こちらは、役場全景。
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さて、海沿いに戻って、奥尻集落から海岸線を南下していくとほどなくして、島の観光名所「なべつる岩」が見えてきました。これ、1993年の大被害をもたらした津波で形が変わってしまったそうです。島の南端に位置して「いた」青苗集落には、このときの津波の被害がありのままに展示してあります(青苗集落では多数の死者が出ました)。奥尻島の建物はどこも、津波の被害を広範囲で受けたため、新しい堅牢な建物ばかりです。
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こちらは、なべつる岩近くの高台にあるマスコットキャラクター「うに丸」のモニュメント。

しばらく南下して、島の南端に向かいました。
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ここ島の南端に、今は広い公園が広がっていますが、昔は青苗集落が広がっていて、津波で根こそぎ持っていかれた跡地です。
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中心にはこのようなモニュメントと、この地下には被害を展示した施設があります。施設では、館員さんに丁寧に中を案内して頂けます。

さて、島の南端から西側(=島の裏側)に向かいます。奥尻からぐるっと南を周って最後の集落(地図的には奥尻島の裏側)にあたるのが、神威脇集落です。
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写真は、神威脇集落にある、神威脇温泉です。なんと、町営温泉ながらも源泉かけ流し。贅沢です。秘湯好きとしては是非とも入浴したいところでしたが、ここを訪れる数分前に島内放送がかかりまして、スピーカーから「神威脇温泉は臨時休業」とのお知らせが。

後で島民の方に聞いて分かったことですが、断水が原因の休業だとのこと。島では数日前から断水が続いていたようです。奥尻の水道は集落ごとに分かれてひかれており、他の集落では既に断水が解消したものの、神威脇ではまだ直っていなかったようです。

ちなみに、写真の神威脇温泉は現役ですが、この写真には写っていない山側にある立派なホテルは、2019年初頭に廃業しており、廃墟です。とても廃墟には見えないほど綺麗なのですが、まだ廃業から日が浅いからでしょう。この廃業が、航路2つあった奥尻の航路のうちの1つ「瀬棚航路」が休航になった遠因のようです。

なお、元ホテルだったところも含めて、奥尻島は2019年の相棒の初回スペシャルのロケ地になっていました。奥尻島の雰囲気を味わえるので、ぜひご覧ください。

さて、神威脇は町有バスだと最後の集落ですが、道道はぐるっと島を一周していますので、北側の野名前集落には車なら神威脇からダイレクトで行くことが出来ます。ただし、途中は少しダートが残っています。

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島の北側の野名前集落にある、町有バスの始発バス停「野名前」です。バスはこの集落から100m程南に下ったところの転回場で折り返してきます。
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野名前から北側を望みます。日本海側に面した集落で、道の上にある「矢印」に、北海道の厳しさを感じます。バス停もしっかりとした小屋になっていないと、寒くて待っていられないのでしょう(自分自身、冬の宗谷岬ではバス停小屋に大変助けられた記憶があります)。

町有バスは、野名前から奥尻までの島の北側を走る路線と、奥尻から神威脇までの島の南側を走る路線の2つがあります。実は近年まで町民専用だったようですが、今は誰でも乗車が可能です。本数も日に何本かありますので、是非乗っておきたい路線です。

続く
(このペイジの作成者 いし)

こんにちは、いしです。
北海道の西の端にある、奥尻島へ向かっています。前日に、本土側の玄関口、江差町まで来ましたので、この日は江差から奥尻島へ向かうフェリーへ乗船しました。
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江差のフェリーターミナルは写真奥の四角い建物。島へ向かう唯一の航路ですが、必要最低限の作り。一方で、観光のハイシーズンは終わったのに、ターミナル前には島へ向かう車(フェリーターミナルに止まっている車含む)が結構ありました。
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こちらは発見窓口。ありがたいことに海況まで掲示してあります。この日は文句なしの凪でした。

奥尻島へ向かうのはハートランドフェリー。他にも稚内の離島航路と、時期によっては樺太航路も運航しています。ハートランドフェリーに最も驚かされたのが、この江差のフェリーターミナルには自動券売機があって、クレジットカードに対応していること!!!ネットで決済できるフェリー会社が増えてきたとはいえ、離島航路のいちターミナルでクレジットカードに対応しているとは、感服です。
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フェリーターミナル隣にある漁港から。奥尻島行のフェリーがやってきました。繁忙期が過ぎ去った奥尻島への航路は日に2便体制で、船は奥尻島に泊まるダイヤです。ゆえに、このように江差では奥尻発のフェリーを必ず迎えることになります。
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着眼してまもなく、乗船が開始されました。車両甲板も用意されて、離島とはいえサイズも人口もそれなりにある、大型船(3,000t級)です。

この日のフェリーは定刻で出航。まるで瀬戸内海かと思うような穏やかな海を奥尻島に向かって走ります。

奥尻島へ向かう航路はかつて2つ存在しました。江差〜奥尻と瀬棚〜奥尻です。残念ながら瀬棚航路は2018年で休止してしまいましたので、今はこの江差航路だけ。
ただ、江差航路に充当される「カランセ奥尻」は2017年就航のピカピカ新造船。離島航路の中ではおそらく5本の指には入る新しさではないでしょうか。おかげさまで、フェリーからは航路が1つなくなるような、うらぶれた雰囲気は微塵も感じられません。
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カランセ奥尻にはデッキも2層、ありました。
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今回は、2時間程度の乗船ということもあって、2等座敷席にしましたが、旅行シーズンが終わったこともあって、ガラガラ。清潔さもプラスしてとても快適でした。なんでも奥尻島は「うに」が特産品で、生うにが取れる9月半ばまでが繁忙期なんだとか。この日は9月下旬だったのですが、9月から10月は台風シーズンということもあって海は荒れがちになり、地元の人曰く「この時期に渡島するのは中々チャレンジング」とのこと。
2等切符のため1等区画には立ち入れないので、2等区画だけ見て回りました。
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2等座敷席です。女性専用区画もあります。靴箱も設置されていて、清潔です。
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荷物置き、枕は標準装備。
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2階にはメインカウンターもありました。カウンター向かいの階段を上ると、3階(1等)です。
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新造船というだけあって、バリアフリー設備も。
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トイレも清潔です。いくら快適な船と言っても、日本海を通る航路なだけあって、例のスペースもしっかりありました。
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そうこうしているうちに、奥尻島へ到着です。振り返ると、すぐそこに北海道が見えます。
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右岸より、奥尻島を望みます。
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奥尻島の奥尻港に入港です。
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カランセ奥尻、船体も綺麗にしてありました。

続く
(このペイジの作成者 いし)

こんばんは、いしです。
※初稿:2019年10月31日。改稿:2020年7月12日。2021年3月16日。

この記事は、2019年8月に訪れ、2019年10月にブログ化しました。
その後、2020年7月7日の報道で、新型コロナウイルスの影響も含む経営悪化のため、「あかね」が売却されて小木直江津航路から撤退する方が明らかにされました。(注1)
これは、2020年度も開催された佐渡航路確保維持改善協議会(新潟県主導)での議論に基づいた結果で、協議会冒頭の挨拶によれば2020年度ゴールデンウィーク期の佐渡汽船の収入は前年比8割減、そもそもの新型コロナウイルス前の決算も、2019年12月期決算時点で2年ぶりの赤字と、経営状況は厳しかった模様です。(注2)
ちなみに、同協議会は何年も前から開催されており、2019年度には寺泊赤泊航路の廃止にも踏み切った経緯があります。
よって、現在は車も航送できる高速船で運航されている小木直江津航路ですが、2021年4月からはジェットフォイルの運航に切り替わる模様です。
2015年製の比較的新しい高速船「あかね」でしたが、乗れるのもあとわずか。新型コロナウイルスの影響を踏まえると、もうほぼ乗る機会は無いと言っても過言ではない程度で、なんとも寂しい限りです。佐渡汽船にとって赤字改善は急務ですから、致し方のないことではありますが。

注1:日本経済新聞「佐渡汽船、高速カーフェリー売却方針 小木航路の赤字改善に向け」2020年7月7日」
注2:新潟日報「佐渡汽船の売り上げ8割減」(2020年5月29日)

予定通りの2021年3月20日に、あかねは最終運航日を迎えました。


以下、初稿。
新潟県の佐渡島へは、現在2本の航路が本土から通っています。1つは新潟〜両津のメイン航路。もう1つは直江津〜小木航路(1日2便)。佐渡島からは、直江津小木航路で帰路につきました。
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佐渡側の玄関口、小木港には2航路が描かれていました。左側が今回乗車する直江津小木航路です。国道350号に指定されているんですね。いわゆる、海上国道です。海上国道ですと言えば、鹿児島から那覇に至る58号を思い浮かべますが、ここも立派な国道でした。
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小木港では、観光客と地元客が入り交じって、船の改札を待っていました。

直江津小木航路には、現在、高速カーフェリー「あかね」が就航中。5,700トンもある船体ながら、30ノットで進みます。ジェットフォイルに比べたらかなり遅いですが、それでも船としては中々速い部類ではないでしょうか(少なくとも自分が乗った中では俊足)。
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夏の夕空をバックに、乗船が始まりました。写真は船の後方デッキから。デッキに出れるのは後方の一部スペースだけなので、結構な人数がここに集まっていました。

車の乗船も始まっています。
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乗船が終わって程なくして、出港です。だんだんと佐渡島が遠ざかっていきます。このスピードが演出する「お別れ」感が船旅の醍醐味です。日常生活では、何かからゆっくり別れる事があまり無いですから。

フェリーあかねの船内は、全席指定。満員に近かったため写真は撮れませんでしたが、造船からまだ日が浅い事もあって、船内はトイレを含めて清潔です。キッズルームもあって子どもの声も聞こえていました。

全席指定で全席座席なので、フェリーあかねのは横になれる場所を予約することは出来ません。とは言っても一応横になれる座敷スペースは用意されており、具合が悪くなった人に限って船員に申し出れば利用ができます。本土の直江津港に接岸したときに覗いたら、結構な人が使っていました。全く揺れない航海で快適そのものでしたが、利用はあくまで自己申告ですから。

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最後は直江津港で船首を1枚。

この後は直江津港から接続の頸城バスで直江津駅へ(バスは上越妙高駅まで行って新幹線接続も行います!船が高速移動の需要も掴んでいる証拠ですね)。
長かった佐渡島の旅も終わり。帰路につきました。


(このペイジの作成者 いし)



こんばんは、いしです。

佐渡島の南西部の端っこに位置する宿根木集落は、昔ながらの景観が集落ごと残っている、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された、観光客の多い集落です。
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宿根木の集落は海と小高い丘に挟まれており、丘の上には、旧小学校が保存されて、中を見学することができます。写真はその最寄りバス停です。
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学校は現在民族博物館となっていて、主に昭和までの宿根木の暮らしに関するものが展示されています。
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ただし建物は学校そのまま。こちらは廊下です。ドラマで見かけるような木造校舎。初めて入りました。
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ここは敢えて教室のまま保存されている部屋です。
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文集や記念写真、5玉の算盤など、さまざまな備品も展示されていました。
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丘を降りると、宿根木集落があります。舟運で栄えたこの街の風景がそのまま残っています。多くの住宅は今も現役で使われているところもポイント。
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集落の中は細い道が繋がっています。
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昔のままの看板を下げたお宅も。
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集落のうち、3つの家は内部も公開されています。
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当時の生活が分かる展示も。
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家の中はそれぞれ個性的。
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囲炉裏で煤けた壁。時代を感じます。
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上から眺めると、その密集度合いがよくわかります。

佐渡島のなかではかなり観光客が多い印象を受けました。集落内に食事処や「たらい舟」の体験など観光施設がある影響もあるのでしょう。また、集落の前の道路がサイクリストのコースになっている事も影響しているかもしれません。

(このペイジの作成者 いし)

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