石勝線は「石」狩と十「勝」が由来となっている通り札幌と道東各都市の高速化を目的として整備された側面を持つ。
そのため、追分~夕張間が1892年に石炭輸送を目的として開業したのにたいして、新夕張~新得間が開業し、全通となったは1981年と90年近く遅い。
新夕張~新得は都市間輸送のバイパスとして機能しているため、沿線人口の少ない地域を貫いている。その証左として100km近い区間に途中駅は2つしか設置されていない。(以前は占冠駅、トマム駅以外に、楓駅が存在した。)
石勝線の開業以前、北海道の中心地である札幌と道東の帯広、釧路を結ぶ列車は札幌から函館本線を経由し、岩見沢、滝川、富良野を経由していた。
しかし、石勝線の開業により、札幌と道東各都市への所要時間が短縮された。また函館本線の線路容量に余裕が生じ、函館本線(札幌~旭川)の増発も容易となった。

さて、石勝線に話を戻すと、新夕張~新得間は人口が希薄な地域を通っているため、2019年現在では途中駅は占冠駅とトマム駅しかない。
そのうちの一駅、占冠村に位置する占冠駅を訪ねてみた。
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帯広から普通列車に揺られ、新得から特急に乗り込む。
この新夕張~新得間は普通列車の運行がなく、自由席に限って特急に乗車することができる。
18きっぷのヘビーユーザーの方ならばご存知の区間だろう。_MG_1178_convert_20190103202300
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吹雪いている占冠に降り立ったのは私一人だった。静かに降り続ける雪は果たして歓迎してくれているのだろうか。
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勇払郡占冠村の中心駅にあたる。お隣のトマム駅も占冠村の駅であるがスキーリゾートの開発などで観光客が多く利用するのに対して、占冠駅は行政の中心地の役割を持っている。
村役場の職員が切符の発売、発券を行う有人駅である。
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遠景。左手に見える建物は保線関係の管理室である。石勝線の保線保守事業は追分駅付近とここに職員が詰めている。そのため、保線員が占冠駅に停車する特急列車に乗車し線路状態の確認を行っている。
更にこの位置から左を向くと郷土資料館と食堂の建物があるのだが、あいにく食堂は休業していた…。(休業は一時的なものだったようでこの記事を書く際に確認したら通常通り営業しているようです。)
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占冠駅は除雪や保線の詰所もあるため、人の気配があるという事実が少し安心する。
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待合室の時刻表に載っているのも特急の時刻のみ。ちなみに特急券や乗車券は手書きの常備券を発見してくれる。せっかくなので入場券(緑地)と特急券(赤地)を購入した。
口座及び様式についてはここでは割愛する。
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駅構内、新夕張方面を向いて撮影。一線スルー方式になっており、上り列車のうち、停車する列車は駅舎側の線路に入線する。
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通過する札幌行き特急スーパーおおぞら4号 石北線は積雪が多いこともあり、ポイントの凍結を防ぐためシェルターが設けられている。占冠駅も両端をシェルターに囲まれている。
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スーパーとかち6号で占冠駅をあとにした。新夕張でお世話になった列車を見送る。

(このページの 作成者 てら)