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こんばんは。いしです。今月は、先月訪れた小笠原の記事を更新します。

東西南北に広がる日本の中で最もアクセスしづらい場所の1つは、間違いなく小笠原でしょう(地図)。小笠原列島の中に有人島は父島と母島だけですが、本土(東京)からは約1,000kmも離れている上に空港は無く、アクセスは週に数便のフェリーのみ。加えて、そのフェリーは東京を出発してから、延々と揺れる太平洋を片道24時間も航行してようやく父島に到着するという代物です。

時間の自由が利く今のうちにと、意を決して小笠原に行ってきました。ブログの文章では伝えきれませんが、時間をかけてでも行ってよかったと思えるほど、素晴らしいところでした。

目次 ※漸次更新
1日目~2日目:【この記事】フェリー「おがさわら丸」東京→父島
2日目:【記事②】父島一周。
3日目:【記事③】フェリー「ははじま丸」父島→母島
同日:【記事④】母島探索、フェリー「ははじま丸」母島→父島
4日目~5日目:【記事⑤】父島、小笠原村営バス。
5日目~6日目:【記事⑥】フェリー「おがさわら丸」父島→東京
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東京都小笠原村へ行くには、東京の竹芝桟橋から出るおがさわら丸に乗るほかありません。ここ竹芝桟橋は浜松町駅から数百メートル離れたところにあり、伊豆諸島に向かうフェリーや高速船もここから出航します。写真は竹芝のフェリーターミナル。ここから伊豆諸島へは東海汽船が、小笠原へはグループ会社の小笠原海運がそれぞれ運航しており、伊豆諸島へのフェリーは毎日、小笠原へは週に1から2便の運航です。

今回乗船したのは3月4日東京発の父島行。この季節はクジラシーズンで船は満員。卒業旅行の学生から団体旅行の高齢者まで客層はバラエティに富んでいます。ただ、ハイシーズンとなる夏のおがさわら丸はほぼ休みなく3、4日に1往復程度東京父島間を行き来するのに対し、3月は週に1往復程度と本数は少なめです。
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出発日は、あいにくの雨模様。風が穏やかだったことがせめてもの救いです。この時期の伊豆諸島、小笠原方面は海が荒れやすいため、天候には敏感になります。気象庁の予報ではこの日の波は伊豆諸島の三宅島で2.5m、八丈島と父島では3mとのことでした。乗客同士の会話によれば、おがさわら丸は波高7mまでは欠航しないようです。動くのは確実ですが、揺れが心配なまま乗り込みます。
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フェリーターミナルで搭乗券を発券し、いざ、乗り込みます。
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出航は11:00。左舷から乗り込み、4デッキの2等寝台へ向かいます。おがさわら丸の船内で乗客が立ち入れるのは、2階(「2デッキ」と呼びます)から8階(8デッキ)までの7層構造。高級クラスになるほど上のデッキに部屋があります。一方、最下層にあたる2デッキ、3デッキには、窓がない雑魚寝の2等和室があります。
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今回予約したのはその1つ上のクラスの2等寝台。4デッキと5デッキの窓がない部分が2等寝台です。2段ベッドが向かい合わせになっている構造で、カーテンを閉めればプライベートな空間が確保されます。
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荷物置き場も充実しています。
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4デッキにある案内所で頂いた時刻表です。東京の竹芝港を出発し、父島の二見港まで24時間の道のりです。
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11:00定刻に汽笛を鳴らして出航。まずは波の穏やかな東京湾を3時間ほど進みます。
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あいにくの曇りでほとんど景色は見えませんでしたが、ところどころコンテナ船や羽田空港、アクアラインなどを横目に、船にしては結構なスピードで東京湾を進みます。

このおがさわら丸は2016年から就航した3代目。スピードアップや揺れの軽減などが図られ、父島への所要時間は従前の25時間より1時間短い24時間となっています。また、新しい船だけあって船内はどこも快適かつ清潔です。トイレもシャワーも洗面所も綺麗です。

加えて、2代目おがさわら丸が6千トン級の船だったのに対し、新しいおがさわら丸は1万1千トン。揺れる太平洋の航海には大変頼もしい大型船です(大きいということは、それだけ揺れにくい)。個人的には、1万トンを超える大型船は北海道方面へ向かうフェリーでしか乗ったことがないので、その大きさに期待が高まります。
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レストランやカフェ、ちょっとしたショップまでついています。写真を撮るのを忘れましたが、廊下には緊急時用のビニール袋が数十m感覚でたくさんぶら下がっています。1万トンを超える大型船ではあっても、それだけ揺れる航路ということですね。乗るには覚悟が必要です。今回も、乗船にあたっていつも服用しているエスエス製薬さんの「アネロンニスキャップ」にお世話になりました。おかげさまで往復共に船酔いにならずに済みました。
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船は予定通り順調に進みます。
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昼食を食べ終わった14時頃、出航から3時間経ってついに船は東京湾を出たようで、だんだんと揺れが大きくなってきました。大型船ならではの、グワングワンとゆっくり前後に揺られる感じが続きます。船内を行き交う人の数もだんだんと減って、通路を歩くのには手すりにつかまらないと右に左に千鳥歩きになってしまいます。

8デッキ(展望デッキ)に上って外を見ると、少し白波が立っていました。遠くに厚い雲に覆われた三宅島と御蔵島を薄っすらと望める以外は、見渡す限りの海です。時刻はまだ16時前。到着まであと19時間です(地図)。
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遠くに八丈島らしき島影が見えた頃、船は日没を迎えました。おがさわら丸は、東京湾を出て一路南進しています。17時頃に日没を迎えましたので、到着まであと18時間です。この日は18時頃にレストランで夕食を食べた後、寝台で横になって暇をつぶしました。

19時を過ぎたあたりから、明らかに揺れがひどくなってきました。4デッキの寝台ですから、船の中腹の高さに居たものの、波が船体にぶつかるドーンという音が大きく聞こえます。それに続いてグワンという大きな揺れが2、3度。これの繰り返し。それでも問題なく寝られるほどの揺れでしたので、うつらうつらしている間にいつの間にか22時。消灯の放送が流れて船内は暗くなり、就寝です。
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翌日は6時に点灯。揺れはあいかわらず続いていましたが、意を決して8デッキに出てみると、昨日の東京の天気が嘘のような快晴でした。この日は予報通り、高気圧に覆われて天気が回復に向かったようです。7:30、揺れたまま、朝ご飯をレストランで頂きました。危うく酔うところでしたが、ギリギリセーフ。
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10時過ぎ、ついに小笠原列島を視界に捉えました。ここまで東京から23時間、、、船内は再び活気づいて、かなり多くの人が小笠原列島を見ようと船外に出てきていました。もういい加減、皆、揺れになれたようですね。
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10:30。ついにおがさわら丸は父島の二見湾に入ります!
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二見港と、そこに停まる「ははじま丸」の姿が。母島へ向かう人は、1時間の乗り継ぎでなんとははじま丸へ乗り換えです。これからさらに2時間の船旅が待っています。
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ちなみにこの日は湾内にクルーズ船「にっぽん丸」も停泊していました。年に数度しか来ないので、大変貴重な光景です。岸壁はははじま丸とおがさわら丸で一杯ですし、なにより2トン級のにっぽん丸は二見港には恐らく接岸できないのでしょう。この位置に停泊していました。
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伊豆諸島の島々と同じく、警察官もおがさわら丸の接岸を見守っています。IMG_2783
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港には、村人総出で出迎えです。
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船は定刻通り、翌日の11:00に父島の二見港に到着しました。長い道のりでした。

続く。

(このペイジの作成者 いし)